第32話 瞳ちゃんのターンと友人達 ②

【 瞳side】


 まったく、仕方のない奴らだ。

 私のことより自分達のデートでも、すれば良いのにな。


 仁

「 釣れないね、瞳ちゃん

 場所は、このままで良いのかな ? 」


 瞳

「 釣りは、待つのも楽しむモノなんだ

 それより腹が、減らないか ?

 そろそろ昼ご飯にしようか ? 」


 私達は、川から少し離れてレジャーシートを引いた。

 おにぎりが、入った重箱を出して広げている時に仁が

「 自販機で、お茶を買って来るから少し待っていてね 」

 そう言って、駆け出していた。


 仁が、お茶のペットボトルを買って来てくれた。


 一の重 おにぎり(梅干し )

 二の重 おにぎり(鮭)

 三の重 おにぎり(昆布)

 四の重 おにぎり(シーチキン)

 五の重 おにぎり(焼きタラコ)


 瞳

「 それぞれ四個( 大 )入っているぞ

 好きなおにぎりから食べてくれ ! 」


 私が、すすめると


 仁

「……………… おっ 美味しそうだね !

 遠慮なく頂くね 」

 そう言って、おにぎり(鮭)を選んでくれた。

 感動のあまり言葉を失ったかな ?

 そうだろう そうだろう

 家族も絶賛したからな !


 さて、私も食べようか

 おにぎり(梅干し)を取り食べ始めた。



【伊予side 】


 でかっ !

 なに、あの巨大化なおにぎりは !


 瞳には、確かに

『 おにぎりなら簡単だから

 少し練習すれば出来るわよ 』

 とは、言ったけど……………


 聖子

「 ねえ ねえ 何、あの米の塊は ?

 もしかして おにぎりなの ? 」


 秋奈

「 おっ オカズは、無いようよ

 もしかして、おにぎりだけなの ?

 伊予、あんた一体 どんなアドバイスをしたのよ 」


 伊予

「 私だって想定外よ !

 おにぎりを薦めたのは、確かに私だけど

『あんな巨大なおにぎりを造れ 』 とは、言ってないわよ 」


 そう 私達は、心配で再び見守る為に集まったのだ。

 決して 面白がっている訳ではない。


 聖子

「 うわぁ 仁くん !

 あれおにぎりの二つ目にいったよ 」


 秋奈

「 でも、飲み込めないのか

 お茶をガブ飲みしているね

 付き合いが、良いなぁ 」


 伊予

「 見ているだけで、胸焼けしそうだね

 ゴメンネ、仁くん

 私が、余計な事を言ったばかりに 」


 私達は、夢中で見ていた。


 伊予

「 でも、瞳も勇気も良かったよね

 あんな優しい婚約者だなんて………

 二人とも男に興味無さそうだったから心配してたんだよ 」


 秋奈

「 そう そう

 楓は、ちゃっかりしているから心配は していなかったけど、勇気も瞳も由利子先生みたいに売れ残りに成っちゃうんじゃないかと心配していたからねぇ 」


 聖子

「 私達も、由利子先生みたいに 成らないように頑張らないとね ! 」


「「「 キャッ ハハハハハハ 」」」


 その時、後ろに…………


 ???

オマエラァお前らぁ

 随分ずいぶんと楽しそうだなぁー !」


 聖子、秋奈

「「 ゲェー !

 ゆっ 由利子先生 ! 」


 由利子先生が、拳を握り締めて立っていた。


 由利子

「 売れ残りで悪かったなぁ

 聖子、秋奈

 合宿をサボってデバガメとは、いい度胸だ!

 たっぷりシゴイてやるから着いてこい

 それから、伊予 !

 お前もひまならシゴイてやるぞ !」


 伊予

「 いえ いえ

 私はこの後 、お父さんの手伝いがあるので

 遠慮します。

 どうぞ その二人は、お連れください 」


 聖子、秋奈

「「 裏切り者ぉー ! 」」


 聖子と秋奈が、先生に連れて行かれるのを

 見送った。

 さぁ~て、 つづき つづき

 と、振り返ると………


 瞳

「 伊予ぉーー ! 」


 手の間接を鳴らしながら立っている 瞳がいた。


 伊予

「 ………………………テヘッ 」


 この後、瞳に怒られたのであった。

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