第30話 タッチ交代 瞳ちゃんのターンです

 アレ、もう朝だ。

 あのまま眠ってしまったらしい。


 仁くんの顔を見る。

 ハンサムでは、無いけど優しい顔をしている。

 仁くんが、目を覚ました。

「 あれ、もしかしたら寝落ちしちゃたかな

 ごめんね。楓ちゃん 」


 本当に優しいなあ

「 ううん、苦手なのに突き合わせて、ごめんね 」


 仁くんが、苦笑いしながら

「アッハハハ 情けなくて、ごめんね 」


「 もう、謝り合うのは、やめよう 」

 私は、仁くんを見詰めていた。


「楓ちゃん……………」

「仁くん………………」


 どちらともなく私達は、キスをしていた。



 ガラ ガラ ガラ ガラ ピッシャン !


「 ただいまぁー

 仁、楓 起きているかぁー ?

 今日は、私の番だからなぁ ! 」


 ……瞳ちゃんが、帰って来た。

 もう、本当にタイミングが悪いんだから !




【 瞳side】


 なんだぁー この雰囲気はぁ !


 いつの間にか 仁と楓が、良い雰囲気に成っている。

 くっ、 また出遅れたのか !

 この雰囲気を変えてやる。

「 朝食に、『 あさだパン屋 』から『パンダぱん 』を買ってきたぞ !

 数量限定で、早朝から並ばないと買えない

 貴重なパンだから、心して食べてくれ !

 ついでに、牛乳とコーヒー牛乳も買ってきたから、三人で食べよう 」


 楓

「 へっ、私も良いの ?

 もう、瞳ちゃんのターンなんだけど

 お腹が減っているから遠慮しないよ 」


 瞳

「 楓に遠慮されたら、逆に気持ち悪いよ

 いいから食べていけ !

 皆で食べた方が、旨いからな 」


 そうして私達は、パンを食べたのだった。


 私が、パンダぱん と牛乳

 楓が、チョココロネ とコーヒー牛乳

 仁が、サンドイッチ と牛乳


 その後 、楓は

 ジャムパンとクリームパンとあんドーナツなど菓子パンばかり食べていた。


 あれだけ食べて太らないのは、理不尽だと思う。


「 瞳ちゃんも頑張ってね 」

 そう言って 楓は、帰って行った。


 随分と機嫌が良いから上手くいったな。


 バッシィーン !!

 緊張してきた自分に気合いを入れた。


 完璧な計画を立てた。

 後は、実行あるのみ !


 仁

「 瞳ちゃん、随分と難しい顔をしているけど、大丈夫 ? 」


 瞳

「 ひゃいっ ! ……いや、大丈夫だ

 この後、予定が無ければ 釣りに行かないか ?

 釣り道具は、レンタルがあるから心配ないぞ」


 仁

「僕は、釣りをやったことが無いけど大丈夫かな 」


 瞳

「 私が、優しくレクチャーするから大丈夫だ

 すぐに出発しよう ! 」


 仁

「 あっ、それなら弁当造ろうか ?」


 瞳

「 それは、用意してある

 私の得意料理の『 おにぎり 』だ

 家族も『瞳は、おにぎり だけは上手ね 』とめられるくらいだぞ ! 」


 私は、仁の手を繋いで駆け出していた。








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