付き合ってから始まるラブコメ

第10話 お昼のお誘い

「今日の授業はここまで。」

「気をつけ、礼。」

「「「ありがとうございました。」」」

　ようやく昼休みか。毎授業の休み時間に男女問わず陽華との関係について聞いてきた。女子はまだ好奇心で聞いてくるからいいが、男子は殺気がもれていた。ガチで怖かった...ほら、また集まってきた。お前ら陽華と学年すら違うよな。なんでそんなに聞いてくるんだよ！この場合は学年の域を超えて人気な陽華をほめるべきなのかな...今日もう昼なのに一日の疲労を超えてるな。

　などと現実逃避気味に考えていると

「明、お疲れ様。」

「大変だったね〜。」

　俊祐と美結がやってきた。

「大変の一言で片付けられないぐらいやばかった。」

「みんな必死だったもんね〜。」

「ところでさ、昼だけど明は今日も学食？」

「そうだな。」

「じゃあ学食行こうか。」

　北高は学食があって弁当がない人は学食を利用する。この中で俊祐と美結は弁当で、俺が学食だ。ちなみに弁当を持ってきている人も学食で食べることができる。今日も俺は学食だった。

「早く行こうぜ。ここにいると俺が死にそうになる。」

　俺たちは急いで教室を出るとそこには、

「丁度よかったです。これから先輩を呼びに行こうとしていたので。」

　天使がいた。...いやこれほんまやで。

「何か用か？」

「はい。先輩は今日も学食だろうと思いまして弁当を作ってきました。」

　......今なんて？

「俺が学食って言ったっけ？」

「私の情報力を舐めないでください。」

　舐めてました。

「それで弁当はどうでしょうか？それとも迷惑でしたか？」

そんな泣きそうな顔をするでない。なんか罪悪感が半端ないから。

「全然迷惑じゃないよ。むしろめっちゃ嬉しいよ。」

「よかったです！それで迷惑でなければ一緒にご飯を食べたいのですが？」

「いいぞ。」

「本当ですか！」

満点の笑顔なことで。

「これがお姫様？」

「そうじゃない？」

「でもあれって完全にアレだよね。」

「うん、あれだね。」

　おいこら、聞こえてるぞ。てかアレってなんだよ。

「えーと。そちらの方々はどちらでしょう？」

「あぁ、こいつらは」

「明の幼なじみの藤堂俊祐です。」

「同じく幼なじみの安田美結だよ〜。よろしくね〜！」

　一瞬美結の方を鋭い視線で見ていたのは気のせいだろうか...

「あ、安心してね。私はしゅんくんと付き合ってるから明は取らないよ。」

「そうですか。申し遅れました。私は明先輩の彼女の日比野陽華です。以後お見知りおきを。」

　そこ彼女を強調せんでいい。

「これからご飯食べるけど、日比野さんもどうかな？」

「それいいかも！日比野さんにいろいろ聞きたいことあるし！」

こらこら、初対面の後輩に何誘ってんだ。

「私でよければご一緒しますよ。」

「いいのかよ！無理とかしてない？」

「大丈夫ですよ。そもそも先輩と付き合うので先輩の知り合いと挨拶もしなければいけないですし。」

「大丈夫ならいいけど。あまり無理はするなよ。」

「はい！」

　こうして俺の知らないうちに四人でご飯を食べることになった。