第2話 『一日』の始まり

「なぁ、お前らほんと仲良すぎじゃね?」

「「そう?」」

なんだこいつら...

 進級してそろそろクラスにも慣れはじめるころ、登校した俺は幼馴染の藤堂俊祐とうどうしゅんすけ安田美結やすだみゆがイチャついていた。

 藤堂俊祐は優しくて運動神経もいい、おまけにイケメンである。もちろん女子に人気がある。

 安田美結はクラスのムードメーカー的存在で元気がいいし校内でもトップクラスの可愛さだ。

「朝からお熱いことで。」

「明も彼女作ればいいのに。」

「無理だ。」

「明ならいけると思うけどね。顔いいし運動神経いいし。」

「過大評価だ。」

「そうだよ、しゅんくん。あっきーって料理が致命的だよ!」

「お前はちょっと黙ってろ。」

「まぁまぁそれは置いといて作る気はないのか?」

「ないな。」

 今まで彼女を作ったことないやつには無理ゲーすぎんだろ...

「てかさー、今年の一年に有名な人いるよね。」

「あぁー、日比野陽華さんだろ。」

「才色兼備で頭脳明晰、運動神経抜群なんでしょ。しかもあだ名が『お姫様』。すごいよね。」

「いやお前が言うなよ。そんな他の子に可愛いって言ってるとお前の彼女が拗ねるぞ。」

「僕の中では美結がいちばん可愛いよ。」

「さらっと惚気んなよ。」

「事実だし。」

「しゅんくん大好き!かっこいい!」

「ありがと、美結。」

 朝からいったい何を見せられているのだろうか。このリア充どもは爆破しないかな。

「朝からイチャつくなよ」

「いーじゃんか!それならあっきーも彼女作ってイチャつけばいいじゃん!」

「いやさっきの話聞いてた!?」

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