第33話 9-4

「ーーまた来るね」

眠っている母に、そう言って俺は病院を後にする。


家までの道中。

これまでの俺の毎日が呼び起こされる。

母が倒れ、父の死の真相は利用されるだけだったし、そして俺はーー。

俺がこれからしようとしてる事はーー。


家に帰ると、母が入院してから常に敷きっぱなしの布団が待っている。

もしかしたら、そろそろ干した方が良いのかもしれないが、そんな事、俺にはどーでもいい。


そのまま俺は布団に転がった。


これからの計画を練るには、十分な時間があったはずだ。着実に準備は出来ているーーもう実行にうつすだけだ。


その夜。

僕は久しぶりに夢を見た。

忘れたくても忘れられない。あの悲しい夢をーー。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る