第6話 第四話

おばさんが学校に電話してくれて、引っ越しが終わるまで、秀二は学校を休む事になった。

ーー荷造り。

それは俺にとって初めての体験だった。

生まれてこの方、引っ越しなど考えた事もなかったし、引っ越しをした事もない。


父の写っている写真は、かき集めるようにしてすべてを持った。


俺が、けして忘れない為にーー。


その後。

俺は自分の着替えと、自分の荷物を軽くまとめた。

それ以外は、後日運べばいい。


俺は、父の死が本当に自殺だったのか?

そればかりを考えていた。


簡単な荷物を持ち、俺はただ引っ越しの日を待つのみとなったが、まだ父の遺品が残ってないだろうか。

業者に頼んでしまう事も考えられた。

そうするともしかしたら、父の遺品が捨てられてしまう可能性がある。


眠ってもいられなくて、家の至るところを探し回った。


残された父の遺品をーー。

それでも、父の遺品はその他には見つからなかった。


婚姻届と指輪。

そして、僕も写っている家族?写真。

灰皿。

それだけしか残されていなかったのだ。

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