第二章 始まりと思い出

おれちいさいころから不特定多数ふとくていたすうだれかとかかわることがきらいだった。そんなんだから友達ともだちだっていないし、親友しんゆうべるひともいなかった。

教室きょうしつではずっとほんんでるか、まどそとながめてるだけだった。

まわりからは「いんキャ」なんてばれてて、いじめられるようにもなった。


そのすこ用事ようじがあっておくれて学校がっこうった。教室きょうしつのドアをけて、はいってきたのは、おれおなじくいんキャってばれている高瀬たかせがいじめられていた。それをおれおもわずいじめったちのあいだはいって


「なぁ、コイツをいじめるんじゃなくておれだけいじめろよ。雑魚ザコ。」


なんてってしまった。まぁ、こうからしてみれば、ムカつく言動げんどうで、おれたいするいじめがもっとひどくなった。

その放課後ほうかご高瀬たかせはなしかけてきた。


今日きょうたすけてくれてありがとう。』

「ん?あぁ、べつたすけたくたすけたわけじゃないから。」

『それじゃあ、たすけなくてもかったんじゃない?』

「いや、あれは勝手かってからだうごいただけで…」

『じゃあ、たすけなきゃっておもったからからだうごいたんじゃない?』

「なっ…」


そんな会話かいわからおれ高瀬たかせ関係かんけいがはじまった。


高瀬は俺と同じく読書が好きで、性格も趣味も俺と似ていた。


「高瀬はさ、どんな小説読むの?」

『僕?僕はまぁ、羅生門かな…』

「羅生門か。確かに羅生門もいいけど、俺はドグラマグラが好きだなぁ。」

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約束 @kanzakiyato

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