ウロボロスとの決着
キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
ウロボロスが奇声をあげて、二人に襲い掛かってくる。
「聖なる光の壁(ホーリーウォール)!」
ティアは聖なる光の壁(ホーリーウォール)を展開した。しかし、それは身を守る為に聖なる光の壁(ホーリーウォール)を展開したのではなかった。ウロボロスの行動を抑制する為に使用したのだ。
ウロボロスは聖なる光の壁(ホーリーウォール)に阻まれ、身動きがろくに取れなくなる。
「ナイスだ! ティア!」
来斗は四方を囲まれ身動きが取れなくなったウロボロスに斬りかかる。聖剣エクスカリバー改に備えられている聖属性の力を全開にする。
「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
来斗は高く飛んだ。そして、聖剣エクスカリバー改を勢いよく、全力で振り下ろす。
「聖覇斬!」
聖剣エクスカリバー改は膨大な光を発しながら、ウロボロスを斬り下ろした。そして、ウロボロスは光に飲み込まれ、次第に消失していく。
その攻撃が与えるダメージは凄まじく、ウロボロスの自動回復(大)のスキルを以ってしても、とてもではないが追いつかない程のものであった。ウロボロスのHPが0になる。ウロボロスは倒されたのだ。
ギイアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
ウロボロスは長い、とても長い断末魔を上げて果てた。ウロボロスが光となり、消失した。
「や、やりました! ライトさんっ!」
「ああっ……なんとかな」
ティアが来斗の元に駆け寄ってくる。流石に相当疲れた。HPもすり減ってきた。霊薬エリクサーで一旦は全快したというのに、ところどころでウロボロスからダメージを受けていたようだ。
「待っててください、今、回復魔法をかけるから」
「慌てなくてもいい。もう敵は出ないんだから。HPを気にする必要なんてない」
そうはいいつつもティアは来斗を懸命に回復魔法で治療した。
『挑戦者の皆様。この地下迷宮(ダンジョン)『ウロボロス』の完全制覇、おめでとうございます』
――と、どこからともかく声が聞こえてきた。女性のような声ではあるが、どこか機械音声のようにも聞こえてくる。この地下迷宮(ダンジョン)を想像した、創造主によるプログラミングなのかもしれない。
『これよりクリア報酬を授与します』
空から一振りの剣が落ちてきた。漆黒の剣だ。これの剣が、地下迷宮(ダンジョン)ウロボロスのラスボスである、その名を冠する怪物(モンスター)『ウロボロス』を打倒した証でもある。
来斗はその一振りの剣を受け取った。来斗はその剣のステータスを読み取る。
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武器名、暗黒剣ダーインスレイブ。属性闇。攻撃力+100。
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聖属性最強の剣である聖剣エクスカリバーと双璧を成す、闇属性最強の剣。それがこの地下迷宮(ダンジョン)ウロボロスを完全攻略した暁となる、クリア報酬であった。
膨大な経験値に加え、来斗は闇属性最強の剣である、暗黒剣ダーインスレイブを手に入れたのである。
来斗はとりあえずはアイテムポーチに暗黒剣ダーインスレイブを納めた。
――そして、もう一つ、クリア報酬があった。
『地下迷宮(ダンジョン)のクリア報酬として地上に転移する事ができますが、いかがいたしましょうか?』
音声に続いて、来斗の目の前にコンソール画面が表示される。
『YES/NO』という表示だ。
もはや、来斗にはこの地下迷宮(ダンジョン)でやり遂げた事はない。来斗はティアを見やる。ティアは視線で語ってきた。来斗の好きにすればいい、それに自分も従うと。
来斗は頷く。来斗は迷う事なく、YESをタップした。
『選択はYESでいいですね。それでは皆様を地上までお届けします』
システム音声が響く。そして転移魔法(テレポーテーション)が発動された。不思議な光が二人を纏い、そして一瞬にして地上まで運んで行く。
こうして二人は色々とあった地下迷宮(ダンジョン)『ウロボロス』と別れを告げたのだ。
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作者からのお願い。これにて地下迷宮攻略編が終わりです。それなりの分量、お付き合い頂きありがとうございました。この作品はカクヨムコン7に参加しています。読者選考を突破する為に、ご協力して頂ければ幸いです。やり方は簡単で★★★の方を入れてくれれば幸いです。それでは引き続きお付き合い頂ければ幸いです。
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