転生少女の愛される日々〜年上のお兄様達に毎日溺愛されて困ります〜
RUMI
プロローグ 目覚めたら森の中でした。
「お父さん……!!お母さん……!!」
叫び声を上げながら気がついた少女は、ハァ、ハァと乱れる息とドクドクと脈打つ心臓の音を体で感じつつ、まだ…ハッキリとしていない頭を片手で押さえながら体をゆっくり起こした。
辺りを見回して見ると、そこは…見た事も無いようなカラフルな大きなキノコや天高く伸びた大きな樹々が鬱蒼と生い茂る森の中で、辺りに生き物の気配は全くなく……まるで…この森の中には自分だけしか居ないように錯覚する程、辺りはは……シン……と静まり返っていた。
普段の見慣れた光景とは程遠い景色に、少女の頭は理解出来ずに、ただ呆然と辺りを見回すだけだった。
だが….何度見回してみても人の気配もなく、薄暗い静まり返った森の中で、ハァ、ハァと自分の呼吸の音だけが繰り返し聞こえている……
少女は、側に家族が居ないかもう一度、慎重に見回すも、やはり人の姿は無く…とてつも無い寂しさに襲われて思わず呟いた…
「どう…して……?お父さんは…?お母さんは….?」
泣き出しそうになる自分を必死で抑え、混乱している頭で必死に思い返す……
***
少女の記憶の中にある最後の光景は、家族で食事に向かう途中の車の中で、信号無視したトラックに、勢いよく横から突っ込まれたところで途切れている。
けれど…そこから、どうして此処に来て倒れているのかがさっぱり思い出せないでいた……
何か忘れている事があるのかもしれないと必死に考えるも、どうしてもその先の行動が思い出せなかった。
とりあえず、ここは何処で、一緒に車に乗っていた両親は、一体、何処に行ってしまったのだろうと、不安になった少女は、もしかしたら、両親が近くにいるかもしれないし、同じ様に何処かで倒れているかも知れないと思い、探しに行こうと考え出す。
本来なら、病院に入院していても、おかしく無いはずの事故だったと記憶しているのに、何処からどのくらいの期間の記憶が抜け落ちているのかさっぱり分からない。
とりあえず此処に居ても仕方がないので、両親を探しながら、近くに民家や人が居ないかを探し、誰かこの辺りに詳しい人に、ここは一体、何県の何処なのかを聞かないと、この先の行動が決まらないと思い至った。
それに、もうすぐ暗くなってきてしまいそうな雰囲気だ…
(夜になってしまったら大変だし、もしも両親と逸れてしまっていたら一人で帰れるところなのかしら)
と…今だに、ぼんやりしていて、いまいち働かない頭を必死に働かせながら移動しようと立ち上がった少女は自分の身体の異変に気づいた。
アレ…??
私の手……
なんか小さくない…???
洋服も、出かける時に着ていた服とは
全然違うし……
靴も履いてない…
なんか….足も小さい気がする……??
混乱しながら立ち上がった少女は、自分の目線の低さに驚愕する。
嘘でしょ………!!!!
私の…体………一体…どうなってるのーーー???
少女は呆然と立ち尽くすのだった。
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