OTHER WORLD・FRONTLINE

D・ケンタ

プロローグ

LAST MISSION:リアクター暴走阻止①

『急げ!間に合わなくなるぞ!』


 甲高いスキール音を響かせ、6機の機影が施設の中を進む。

 辺りには非常事態を告げるアラートが鳴り響き、如何に危険かを知らせてくるが、それに構わず奥へと突き進む。


『アルファ1よりヘイローチーム!まもなく敵はリアクタールームに到達します!』

『ヘイローリーダー了解!全機、速度を上げろ!付いてこれない者は置いていくぞ!!』


 無線からその言葉が聞こえたと同時、先頭を進んでいた機体が加速した。後続の機体も、それに続く。


「くぅっ……!」


 その内の1機に搭乗している隊員が、加速のGに呻き声を上げる。しかし、今はそんなのを気にしている状況ではない。歯を食いしばり、コックピット内のペダルを踏み込む。


『ヘイロー6ッ!挙動が乱れているぞ、集中しろ!!』

「りょ、了解っ!!」


 通信機から飛んできた隊長の声に答えると、ヘイロー6と呼ばれた隊員は操縦桿を握り直し、機体の挙動を抑える。

 彼以外の隊員も、機体の速度を限界まで加速させ進み続ける。


『ヘイローチームッ!敵がリアクタールームに到達、セキュリティが破られるのも時間の問題です!急いで下さい!!』

『分かっているっ!!』


 時間が無い。現在の状況に舌打ちをすると、隊長はペダルを踏み込んでいる足、そして操縦桿を握ってる手に力を込める。

 ホイールが焼き付きそうになりながらも、ついに目的地へと到着する。


『っ!?回避っ!!』


 しかしその瞬間、開いた隔壁の内部から無数の銃弾が襲いかかってきた。

 咄嗟に全機回避行動を取るが、数機がダメージを負う。

 なおも苛烈な攻撃が続く中、隊長機から部隊の全機へと通信が飛ぶ。


『ヘイローリーダーより各機。次に銃撃が途切れた時、一気に突入するぞ。突入後、ヘイロー3、5は右翼に展開。2、4は入り口から火力支援、6は俺と来い!間違ってもリアクターに当てるなよ!!』

『『『『「了解っ!!」』』』』

『よし、行くぞ……3、2、1ッ!』


 隊長のカウントダウンが終わると同時に、敵の銃撃が途切れ、その隙を逃さず内部へと滑り込んでいく。


『ヘイローチーム!これより敵を掃討する!!』

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