かのじょとのかんけい
バブみ道日丿宮組
お題:空前絶後の愛人 制限時間:15分
かのじょとのかんけい
「どうこれ? かわいい?」
「そうだな……可愛いと思う」
彼女はくるくるとその場で回転し、洋服をこれ見よがしにしてくる。
愛くるしさでいっぱいで、胸が落ち着く。
「大好き」
「知ってる」
彼女と、僕の関係は、浮気。
お互い相手がいるのに、こうして密会を繰り返してる。
「はぁ……」
表情が曇る。
「どうしたの? なんか嫌なことあった?」
「お嬢様の執事離れが発生しなくてね」
ぽりぽりと頬をかく。
本来の彼女であるお嬢様を思い浮かべる。
「今は寝てるんだっけ?」
「うん。この時間から夕方までは熟睡」
変わらないルーチンをお嬢様はしてる。
一種の睡眠障害みたいなもので、夜に寝て、昼に寝る。それは子どものようにすやすや眠ってる。
「主様なんだから、きちんと対応しなきゃダメだよ?」
「そうすると、君に会えなくなるけど、いいの?」
うーんと彼女は考える様子をし、
「やっぱダメで」
答えを出した。
「でも、給料も将来も約束されてるのは羨ましい」
「君だって同じじゃないか」
浮気相手の彼女は、お嬢様と同じお金持ち。社交界にはでていないけど、影響力を持とうと思えば、いくらでもできる。
そして不自由なく一生を過ごすことができる。
「あたしの場合は、お兄ちゃんがいるから自由になってるけれど、そんなにお金は使えないよ?」
一般人がどれだけ使うのかは知らないけどと、追加。
「あなたとだって、ただの時間つぶしのように思われてるよ」
「本当は違うのにね」
あははと笑いあう。
「浮気じゃなくて、本当の恋だったらよかったのに」
「難しいね。僕の地位はどんなに頑張っても上がらないし、お嬢様の執事をやめることはできないから」
生まれてこの方、執事として生きることが決まってた。
そういう一族に生まれた。
「あのこ、性欲すごいんでしょ?」
「……そうだね」
がっつりと肉食系だ。
こちらが避妊しないと、何人身籠ったかわからない。
「普通がいいかな」
当たり前の思考。
「動ける時間が決まってるから、欲が強いのかもしれないよ?」
「そうだったとしても、僕以外に興味がないってのはあれかなぁ」
「愛されてるねぇ」
つんつんとほっぺたを触られる。
「実さ……浮気がバレてる気がするんだ」
「いきなりだね? どうして」
「んー。寝る前にあのこによろしくねって言われたんだよね」
ベッドに寝転がったお嬢様は、睡魔に落ちる前にそんなことを僕にいった。
「へぇ……?」
「だから、いずれなにか入るかもしれないし、離れさせられるかもしれない」
もしくは違うことに。
「じゃぁ、今を楽しまないとね」
そうして彼女は僕を押し倒した。
かのじょとのかんけい バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます