第2話  朝食と雑談

「よし、完成っと」

焼いた鮭を皿に盛り付けながら呟く


ピンポーン


「ん?はーい、聖護かな?」

昨日は公式ホームページやまとめサイトをサラッと読み、ゲーム関連の基礎的な知識などを学んでから就寝した。翌日、学校は休みながらも生活リズム自体は崩していないので自然と朝早くに目が覚め、少しだけ長めの髪を後ろにひとまとめにし、前髪を片側に流しヘアピンでまとめてから顔を洗ったり、歯を磨いたりする。それから聖護とは朝早くに集合とのことで2人分の朝ごはんを作っているとチャイムが鳴った。


「よっと、開けたよ〜」

「うん、ありがとう」

「玄関の鍵は空けとくから上に来たら入ってね」

「りょーかい」

そんな会話をしながらエントランスのドアを開けるボタンを押した。

本日のメニューは昔ながらの和食を参考にして作ってみた。ある秘密事の影響でタイマーなどはいらないし時間管理などは完璧に行うことが出来るのでこういうことが楽にできるのは嬉しい。ちなみに家具や電化製品はあったがさすがに食材はなかったため、昨日のうちに調味料含め買ってきていた。


ガチャッ


「おじゃまします」

「ん。いらっしゃーい。ごはん出来てるよ」

「あ、ありがとう。ごめんね。ご飯作ってもらっちゃって」

「いーよ。いろいろ聖護にはお世話になってるしね。手洗っといで」

そんな会話をしながら机にご飯を運んでいく。ちなみにメニューとしては、白米に鮭の塩焼き、だし巻き卵に梅風味のひじきとほうれんそうのおひたし、豆腐とわかめのオーソドックスな味噌汁といった和食メニューだ。


「いただきます」

「ん、召し上がれ。んで、アップデート終わりが10時らしいけど…」

「そうだね。今が8時半だけど、詳しい内容の発表は9時半前ぐらいには出るらしいから、ここで見てから家に帰るよ」

「そか。りょーかい」

「んで、隠しダンジョンってどうしたのよ。戦闘中に流れてきてびっくりして、フィールドボスと戦ってるにもかかわらず一瞬同じパーティー組んでた人と一緒に固まっちゃてたんだけど…」

と苦笑しながら聖護が聞いてきた。

「どういうこともなにも…セトと別れて西側の方にレベル上げに行こうかなと思ってたのよね。んでそこから少し戦ったりしてたらユオンがどこかに案内したいってジェスチャーで伝えてきて、結構獣道やら通って離れたところの木の前まで行ってね。そこからユオンが木の中に突っ込んでいったから着いて行って木の中に入り込んだら隠しダンジョンを見つけたってアナウンス来たんだよね。だからせっかくだし攻略してみた?

というかやっぱりあの後に流れてたフィールドボスのアナウンスは聖護たちのだったんだね。たしか〖聖騎賢聡せいきけんそう〗だっけ?」

「そうだよ、五人でパーティーを組んでFBフィールドボスに挑むことになってたから昨日別れてたんだよね。にしても、なるほどねぇ。トリチュアール周辺を見に行った人たちも結構いたんだけど、2、30km先まで森が続いててその奥が崖だったみたいなんだよね。だから木の中までは意識が回らなかったのかな。ダンジョンってついで感覚で攻略できるようなものじゃないと思うんだけどね。まぁ修行もその分してたんだろうけども」

最後の方では苦笑しながらも言ってきていた。

「まぁ、うん。約束忘れるくらいには、修行漬けだったからね。まぁ現実では使わないだろうし、まだ無駄にはならなそうで安心はしたかな」

「そっか。そうだねー、明日でも一緒にFBフィールドボス行ってみる?今日は混むかもしれないしいろいろ確認したいこともあるしね」

「そうだね。せっかくだから一緒に行ってみようかな。あ、でも一人…っていうかユオンもいるけど二人?でもやってみたいから無理そうなら呼ぶって感じで」

「うん。わかったよ。けどまぁこういうゲームだと次からは弱体化とかしてるだろうし栞暖たちで大丈夫だと思うからまた今度になりそうだけどね。っとごちそうさまでした。洗ってきたほうがいいかな?」

「お粗末様でした。いやこっちで洗うよ。台所まで運んでもらえるとありがたいけど。弱体化とかもするのかまぁ倒せそうだったら次の機会でって感じで」

「ん、どっちもりょうかい」

話してるうちに食べ終わり、そのまま食器洗いに入っている。ちなみに食器類を拭くのは聖護が自主的に手伝ってくれた。ほんとこういう所が人気がある一つでもあるんだろうなと感じる。

「よし、おわり。手伝ってくれてありがとね」

「いやいや。こっちこそおいしいご飯ごちそうさまでした」

「っともう9時半みたいだしアップデート内容確認だけしてく?」

「そうだね。もともとの目的でもあるし確認していこうかな」

と、いうわけでパソコンで公式ページを開いた。

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