富田さんの瞳への応援コメント
私の祖母が亡くなる前、娘である私の母に「病室の隅にいるあの人、追い出して」と何度も言っていた、という話を思い出しました。
もちろん隅には誰もいなかった、と。
すばらしい筆致で、良いものを読ませていただきました。
作者からの返信
本城 冴月さま
かなり前に書いたものをお読みいただき、とても嬉しく思います。
人が亡くなる前って、第六感が研ぎ澄まされるものなのかもしれませんね。おばあさまには何が見えていたのでしょう……。何であれ、今は天国で楽しく暮らしておられることでしょう。ご冥福をお祈りさせてください。
このたびは素敵な感想までお寄せくださり、本当にありがとうございました。
富田さんの瞳への応援コメント
すみません、実は読んでなかったので読みにきました。お見事です。ご自身の体験したことを消化した上で、自分なりの解釈を加えて文学に落としているのが、すごいなあと思いました。勉強させていただきました。レビューも書きたいのですが、最近頭が疲れていて、綺麗なレビューが書けなそうなので、落ち着いた時に書きますね。
作者からの返信
横海イチカさん
お読みいただき、ありがとうございます!
自分の体験をつらつら書いただけの物だったので、まさかの評価に驚いています。レビューを書きたいと思ってくださるお気持ちだけで嬉しいです。
いつもお仕事に家事育児にキックボクシングをこなし、さらにハイレベルな小説まで上げて頑張っていらっしゃるイチカさんには頭が下がる思いです。
どうか無理なさらないでくださいね。
今後のご活躍も楽しみにさせていただきます。
富田さんの瞳への応援コメント
実際どうだったのかはもう誰にもわかりませんが、一つだけ言えるのは、死んでしまってからではもう遅いと言うことですよね。
一度でいいから、会わせてあげてみたかったですね。
作者からの返信
木沢 俊二様
このたびはご感想をお寄せくださり、誠にありがとうございました。
この物語では書きませんでしたが、実際には一度だけ、息子さんの許可を得てお二人を会わせたことがあります。最初は和やかにお話しされていたご夫妻でしたが、いきなり富田さん(仮)が杖を振り上げて奥さんに殴りかかろうとし、職員が止めに入るという騒動に発展しました。その後、お二人を一切会わせないというルールが出来たのでした。
会えば暴力をふるうのに、会えなければ非常に寂しがる方でした。「人の業」のようなものを強く感じた一件でした。
富田さんの瞳への応援コメント
簡潔な文章の中に、引きこまれるような魅力がある作品でした。おそらく実体験であるところからきているのかもしれません。個人的な話ですが、一昨年亡くなった祖父は認知症だったので、沁みる部分もありました(コロナ禍だったので、祖父とはちゃんとお別れできませんでした)。この作品の介護職の方々のような心の準備はできなかったし(誰でもできることではありませんが)、ちゃんと話せなかったことも残念に思います。それを思い出させてくれた作品でした。
作者からの返信
月嶋レン様
このたびは拙作をお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
お祖父さまのこと、お悔み申し上げます。ただでさえお別れは辛いものです。コロナ禍では特にやるせないお気持ちになられたことでしょう。大切なお身内であればあるほど、心の準備をすることは難しいはずです。
きっと、素敵なお祖父様だったのでしょうね。
末筆ながら、感想をお寄せくださったお礼を申し上げるとともに、お祖父様のご冥福をお祈りいたします。
富田さんの瞳への応援コメント
それぞれの物語の中の主人公として、人間は生きているのだろうな……と感じました。富田さんの物語。キノさんの物語。息子さんから見たご夫妻の物語も、それぞれ色々な側面があるのだろうな……と。
長年一緒にいると、隣にいなくても何かを感じることがあるのかもしれないですね。
それが夫婦愛なのか、人と人の絆が生み出す現象なのか、真実は分かりませんが、尊い繋がりのような気がします。
読んだその時その時で、感じ方も変わるような気がするので、また時間をおいて読み返してみたいと思います。
作者からの返信
青羽根 深桜さん
お読みいただきましてありがとうございます!
>それぞれの物語の中の主人公として、人間は生きているのだろうな……と感じました。
本当にその通りだと思います。そして、このような言葉選びに、改めて深桜さんの言葉のセンスを感じました。
>読んだその時その時で、感じ方も変わるような気がするので、また時間をおいて読み返してみたいと思います。
そのように思っていただけて、非常に嬉しく思います。書いていただきました通り、自分がそのときに置かれている状況によって感じ方が変わる話だと思います。
末筆ですが、素晴らしい感想をお寄せくださいましたこと、重ねてお礼申し上げます。
編集済
富田さんの瞳への応援コメント
初めまして、Twitterから参りました、スガと申します。
淡々としながらも心地のいいテンポで紡がれる文章や、決して大袈裟ではないけれどドラマチックな展開にとても心を揺さぶられました。
夫婦間における感情は、例えその子どもであってもわからないもの。
ましてや、他人に推し量れるものなどいかばかりでしょうか。
実体験ということもあってか、そんなリアリティの滲む作品だったと思います。
文体というか、作品そのものの雰囲気がとても刺さりました。
他の作品も読ませていただきたいと思います。
素敵な作品をありがとうございました。
作者からの返信
すが様
この度は拙作をお読みくださり、誠にありがとうございました。
>夫婦間における感情は、例えその子どもであってもわからないもの。
>ましてや、他人に推し量れるものなどいかばかりでしょうか。
本当にその通りですね。夫婦間のことは、本人たちにしか分からないことが沢山ありますね。
>文体というか、作品そのものの雰囲気がとても刺さりました。
>他の作品も読ませていただきたいと思います。
このように思っていただけたことは、書き手としてはこれ以上に嬉しいことはございません。本当にありがとうございます。これからも良いと思っていただける作品を書けるよう、精進いたします。
末筆ですが、素晴らしい感想をお寄せくださいましたこと、重ねてお礼申し上げます。
富田さんの瞳への応援コメント
はじめまして。
前々からSNSで見かけるたびに気になっておりましたので、この度読ませていただきましたm(__)m
なんといいますか一言では言い表せられない複雑なお話ですね。
一読者として思ったことを好きに書かせていただくとしたら、この関係を夫婦愛と呼べるのか自分にもわかりません。ただ、この夫婦の間には外の人間には理解できない何か強いキズナがあったように思います。
外から見たら、それこそ息子さんから見ても、暴力を振るう側と、振るわれる側にしか見えなったのかもしれませんが、当人同士には夫婦愛を変えた特別で特殊なもので結ばれていたのかもしれません。そういう意味では一度は会わせてあげてほしかったなと個人的には思いました。
作者からの返信
秀之様
この度は拙作をお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
>この夫婦の間には外の人間には理解できない何か強いキズナがあったように思います。
>当人同士には夫婦愛を変えた特別で特殊なもので結ばれていたのかもしれません。
私にも、そのように思えます。「夫婦は2人で1つ」とはよく言ったもので、富田さんにとって奥様を亡くされたことは、自分の片割れを失ったようなものだったのでしょう。それこそ、誰に言われずともその死を感知できるほどに。
この物語では書きませんでしたが、実際には一度だけ、息子さんの許可を得てお二人を会わせたことがあるのです。最初は和やかにお話しされていたご夫妻でしたが、いきなり富田さん(仮)が杖を振り上げて奥さんに殴りかかろうとし、職員が止めに入るという騒動に発展しました。その後、お二人を一切会わせないというルールが出来たのでした。
夫婦の問題は、本人たちにか分からない部分もあると同時に、外から見なくては分からない部分もあり、とても難しいと感じます。
末筆ですが、素敵な感想をお寄せくださり、ありがとうございました。
富田さんの瞳への応援コメント
3600字に凝縮された「幸せ」の形を問いかけるノンフィクションの物語。流石は釣舟草さんだなとただただ舌を巻きました。
やっぱり、リアリティの出し方が凄いです! ノンフィクションなのでリアルなのはそうなんですけど、読んでいてまるで目の前のあるかのように情景が脳裏に浮かぶんです。空気感の描き方が流石だと思いました。
自分の曾祖父もここまでバイオレンスな状況ではないにせよ似た状況にあるのは確かなので、2人と重ねながら読みました。それと同時に、「これが鎌畑琴の話に繋がっているんだろうか」など、前作を思い返しながら読ませていただきました。
愛は本能的なもの。だから、認知機能が低下しようと残る。でも、そうして残されたものが共依存という「歪んだ」ものだとしたら? それを愛と呼べるのか? 文脈こそ違いますが「ありゃ自分のための欲求なんだ」と勲の言葉が蘇るようでした。
なるほど、釣舟草さんは愛の在り方や幸せの在り方について、ある種の「歪み」を提示することで巧みに問いかけられる方なんだと改めて思いました。
作者からの返信
天秤さん
たくさんお褒めに預かり、嬉しいような照れくさいような気分です。前作を踏まえた感想をくださった方は初めてなので、大変嬉しく思います。
この作品は息抜きのつもりで軽い気持ちで書いたのですが、ご指摘いただいて初めて、前作との共通点に気がつきました。
「愛」の中に潜む欺瞞に、自身で気がついておくことが大切なのかなと、書き手としては思います。そうすれば、愛する者を傷つけようとしたとき、躊躇を覚えるのではないかと思うのです。
ひいお祖父様が施設で暮らされているのですね。コロナで大変な時期ですが、ご長寿とご多幸をお祈りしています。
末筆ですが、素晴らしい感想をお寄せくださり、ありがとうございました。
富田さんの瞳への応援コメント
Twitterから参りました。たけもふと申します。この度は私の企画にご参加下さりありがとうございます。
拝読させていただきました。傍からみた愛と本人たちの間にとっての愛、たった一文字といえどその中身はまるで違うこと、そして、二人の間にある絆は当人たちしか断ち切ることはできないのだという事を不思議なお話を通じて感じることができました。読めてよかったと思いました。
作者からの返信
たけもふ様
拙作をお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
>二人の間にある絆は当人たちしか断ち切ることはできないのだという事を不思議なお話を通じて感じることができました。
書いていただきましたように、周囲がいかに動こうとも、おふたりの絆を絶つことはできませんでした。愛とは何か、その愛は誰に注がれているものだったのか、考えさせられた出来事でした。
素敵なご感想をいただけましたこと、重ねてお礼申し上げます。
富田さんの瞳への応援コメント
愛情の形は色々とありますよね。
とくに苦楽を長い間共にしたご夫婦なら。
息子さんの立場でみたら、見えていなかった部分も結構あったのではと。
読後に少し思いました。
「あの人、私がいないとダメなんですよ」
の言葉はまさにその通りだったんですね。
作者からの返信
shiba様
夫婦のことは、本人たちにしか分からないことが沢山ありますね。一方で、当事者だからこそ分からないこともあります。
大抵の人は、自分に都合の良い「物語」の中を生きています。外から見れば明らかに間違っていることも、本人たちの信じる「物語」の中では正しい、ということはよくあります。
>息子さんの立場でみたら、見えていなかった部分も結構あったのではと。
読後に少し思いました。
おっしゃるように、息子さんにはその「物語」がご夫婦にとってどれだけ美しく大切なものであるか、理解できなかったと言えるかと思います。富田さん夫妻は最後まで、その「物語」を信じ切ったのでしょう。
素敵な感想をお寄せくださり、ありがとうございました。
富田さんの瞳への応援コメント
こういうお話をさらっと(書くに当たっていろいろ苦労されたことは分かっていますが、さらっと読めるのです)書けてしまうところが、釣舟草さんのこわいところだと思うのです。
書き方によってはものすごく重い話をさらっと読ませる。その書く力に脱帽です。
読了後に本当に考えさせられます。
共依存。本人達にはそれが真実なのですよね…。
お話、ありがとうございました。
作者からの返信
まりんあくあさん!
わざわざカクヨムにお越しいただけたなんて、喜びで昇天します!
これはほぼ体験談なので筆が乗りました。
ご想像の通り、さらっと40分くらいで書いてしまいました。
こういう「人間臭さ」の部分が、個人的に凄く好きなんです。人間の愚かさや醜さは、ときに愛おしく、美しく、神秘的です。
今後も、そういう「人間臭さ」と向き合って創作活動を続けていけたらいいなと思っています。
末筆ですが、重ねて感謝申し上げます。
今後も仲良くしていただけたら嬉しいです(´▽`*)
編集済
富田さんの瞳への応援コメント
はじめまして。
このような夫婦はきっと世の中に沢山いるのだろう、と思えたことも手伝って、こんなに短いエピソードに何度も強い嫌悪を感じました。(文が機能しているから生じた気持ちであって作品への感想ではないです!紛らわしいので念のため追記しました)
人は社会で生きる生物と言いますが、何かしらの依存や執着に囚われているご夫婦というのは、世界にたった二人だけで生きているような不思議な感覚を共有しているのでしょうか。
自分とは縁遠いご職業の体験談でもあり、痴呆を発症してからのアイデンティティなども含め、色々と考えさせられる興味深いお話でした。切り口が面白いですね。
作者からの返信
立藤初雪様
お読みいただき、感想をいただけまして、大変光栄です。
追記のお心遣いにも、感謝の気持ちでいっぱいです。
書いていただきました通り、依存や執着と共にある夫婦は結構多いのではないかと思います。これはある意味「人間の愚かさ」であり、「嫌悪されるべき感情」でもあります。
しかし、書き手にはこの「依存」や「執着」を否定しきることができません。
正しく生きられない、賢く自立できない人々には、良くも悪くも人間臭さがあり、どこか愛おしさを感じてしまうのです。
認知症を発症し、息子さんのことすら忘れた後も心に残り続ける依存心。醜くもあり、神秘的でもあるような気がいたします。
書き手ながら、改めて考えさせられる素敵な感想をお寄せ下さったこと、重ねて感謝申し上げます。
富田さんの瞳への応援コメント
僕の祖父も施設に入っていましたが、100歳を目前にして滅茶苦茶元気で、筋トレまでしていたのに、祖母が亡くなった3ヶ月後にあっさり亡くなりました。
コロナが流行ってから祖父母に会えるのはお正月の年一度で、最後に会った時の祖父は老人にしては筋骨粒々と言える体型だったのに、棺に入った祖父はヒョロヒョロで小さく、まるで別人でした。
長年夫婦であり続けるということは、それだけで何かしらの依存というかなんというか……上手く言葉にできませんが、ある意味で不健全な関係と呼べるのかもなぁと思ってしまいました。
作者からの返信
173号機さん、いつもありがとうございます。
コロナで辛い思いをされたのですね。お祖母さまとお祖父さまを立て続けに亡くされ、悲しみに暮れられたことでしょうね。
お悔み申し上げます。
長年夫婦を続けていると、文字通り「二人でひとつ」になるのかもしれません。パートナーを亡くすことは、自分の片割れを亡くすのと同じなのかもしれませんね。
それはおっしゃるように「不健全な関係」とも思われますし、ある意味強烈な愛情なのかもしれません。
夫婦って不思議ですね。
応援ありがとうございます。
富田さんの瞳への応援コメント
短編ということもあり、一気に読んでしまいました。
なんと表現すればいいのか分からない、虚しい気持ちと、職員としてやるべきことを全うできたのかという疑念と…複雑になります。きっと自分も息子さんの立場だったら許せないと思いますし、職員だとしても会わせないと思います。
それでも本人たちの間にしか分からない、不思議な力があるのかもしれませんね…。
作者からの返信
綺瀬圭様
返信が遅れてしまい、すみませんでした。
このお話は90%実話なのですが、残りの10%は変更しています。
実際には、息子さんの許可を得て1度だけ2人を会わせたことがありました。最初は和やかにお話ししていたご夫婦でしたが、富田さん(仮)がいきなり杖を振り上げて奥さんを殴ろうとし、職員が必死に止めるという事件がありました。
それ以降、どれだけ富田さんが奥さんに会いたがっても会わせないと決まりました。
夫婦愛って不思議ですよね。真の正解は、夫婦の数だけあるのかもしれません。
富田さんの瞳への応援コメント
えぇ!
釣舟草さんの過去の短編も素晴らしかったですが、その頃と比べても成長が凄まじいですね。
構成の無駄のなさ。メッセージの純粋性。短編小説の良いところが詰まっていますよ!
本当はもっと分析的な批評を試みたいところですが、ちょっと年末は予定が詰まっており。。
また後日失礼致します!
作者からの返信
坂本忠恒さん
返信が遅れてしまい、すみませんでした。
今回はほぼ実話だったので、構成を組みやすかったです。これが成長かどうかというと……ですが、褒めていただけて嬉しいです(´▽`*)
誰にも読まれないと思っていたので、お読みいただき、感想、評価までいただけて私は幸せ者です。ありがとうございます!
富田さんの瞳への応援コメント
介護施設で働いていたときに、こういう不思議なエピソードを耳にしたことがあったので、すっと話が入ってきました。
たぶんDVの被害があって、二人が共依存になっていたことは確かなんでしょうが、それを息子や職員などの外側の人間が判断し、会わせないというのは残酷な選択だなあとも思ってしまいます。職員は、家族の息子からの注文を聞いているだけなので、彼らが間違っているわけでもないのですが……。
なんか複雑で、やるせないですよね。
働いていたときの感情を思い出しました。
富田のおじいさんとお婆さん、あの世で会えたのでしょうか……。
それにしても話にリアリティがあって、本当に凄いです。短編なのに、なんという深い話か……。
いい物見せてもらいました。
作者からの返信
濱風ざくろさん
返信が遅れてしまい、すみませんでした。
このお話は90%実話なのですが、残りの10%は変更しています。
実際には、息子さんの許可を得て1度だけ2人を会わせたことがあるんです。最初は和やかにお話ししていたご夫婦でしたが、富田さん(仮)がいきなり杖を振り上げて奥さんを殴ろうとし、職員が必死に止めるという事件がありました。
私見ですが、愛情とは自他の境界線を壊す感情であると思っています。おそらく夫婦愛の半分は自己愛であり、互いの存在を喪失することは、自己の片割れを失うほど大きな喪失なのでしょう。
誰も読まないと思っていたのにお読みいただき、感想までいただけて、しかも評価まで! 嬉しいです!
Twitterの方で介護施設談義ができたので、上げて良かったです。ありがとうございました(´▽`*)
富田さんの瞳への応援コメント
面白いって言うのもおかしいですが、考えさせられる話ですね。歪んでいても絆みたいなものは生まれるのかもしれない…