第44話
大爆発の影響で焼け死んだ以外のミュエーは大混乱になり、生き残ったミュエーはは大草原の方へ逃げて行った。ウルフや他の魔獣に食べられちゃうのかな。可哀そうに。やったのは俺だけど。
混乱に陥ったのはミュエーだけではない。兵士たちも突然の爆発に驚いて、何事かと集まって来た。
そこへ残りのミュエー達が突っ込んで行ったのだ。普段は大人しい性格のミュエーだが、体躯は人が乗れるくらいに大きい。兵士を弾き飛ばし、踏みつける。混乱は更に拡大していった。
*****
「上手に乗れるようになったじゃない。」
アンちゃんが褒めてくれるとやる気が出る。我ながら単純だなぁと思う。
なんとか2頭確保した俺たちは、草原と森の境界辺りまで戻って来た。いまは俺がアンちゃんから乗馬の訓練を受けている所です。俺は褒められて伸びるタイプなんだ。もっと褒めて。
アンちゃんのレイウス流剣術には騎乗した戦い方もあるのだろう。ミュエーの扱いにも慣れていた。おかげで、驚いて暴れ出そうとするミュエー達をなだめてここまで連れて来れた。
「アンちゃんの教え方が上手いんだよ。それにアンちゃんがこいつらをなだめてくれなかったら、連れて来れなかったしね。」
「え?あ、ありがとう。」
何か逆にアンちゃんからお礼言われちゃったよ。
「ミュエー達には可哀そうだったけど、これで草原側の部隊は足止めできそうね。」
「反対側の部隊も、森に潜んでいる冒険者が頑張ってるみたいだし。問題は中央の主力部隊だなー。」
真ん中に居るだけに手が出しずらい。さてどうしよう。
「さっきと同じようにドカンって出来ないの?」
「ちょっと難しいかな。」
あれは平地でやるには難しい。むしろ良く上手く行ったと思う。霧状の酒は強い風が吹いていれば流されてしまうし、濃度の調整も難しい。それに着火した時に自爆する危険もある。直接酒をかけて燃やした方がよっぽどお手軽だ。爆発危険。当面封印しよう、そうしよう。
何か良い手は無いかと悩んでいると、アンちゃんが言った。
「ねえ、他の
俺たちは
森へ入ると、予め決めておいた連絡方法を試した。それはこの時期には居なくなる渡り鳥の鳴きまねだ。帝国軍の人間でそんな知識を持っている人は少ないだろうしね。
暫く鳴きまねをしていると返事があった。俺たちは一応用心しながら待っていると、4人組のパーティーが現れた。
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