第35話
組合長がまとめてくれたが、とりあえず50人で出来る事はこんなもんだろう。少人数に分かれて行動するという事で、普段からチームやペアを組んでいる者同士で行動する事になった。もちろん俺はアンちゃんとペアだ。
中には単独で活動している奴らもいた様だが、そいつらは適当に組むかいつも通り単独行動でやってくれ。良かった。俺はアンちゃんとペアで。ボッチじゃないもんね。
何か俺が仕切っちゃったけど、良かったんかいな。俺たちD級冒険者だよ。ペーペーだよ。
そう思ってたら、4番窓口のお姉さんからこっちこっちと手招きされました。
「本日付けで、ジロー・アンナのペアはC級冒険者に昇格としました。」
え、何で?
「先日の働きを評価しての事です。」
「えー、麦刈りで評価されたの。」
「それだけではありません。パラライズボアやゴブリン討伐なども評価してますよ。」
そう言えば、そんな事やってたね俺たち。
お姉さんからC級のプレートを受け取った。
「これで初心者卒業ね。」
アンちゃんは嬉しそうにしている。アンちゃんが喜んでいるなら、まっ良いっか。
その後、どのチームがどの方面から攻撃するかなどを大まかに決めて解散となった。
*****
宿に戻って早速アンちゃんと作戦会議だ。
「ねえ、ジローって戦術にも詳しいのね。これも女神様のお知恵なの?」
「いいや、前世の知識(主にマンガ)だよ。」
学生の頃に読んだマンガだけど、熱中して読んでると結構中身を覚えているもんだな。
「ジローって博識なのね。私の家は剣術家だから、対人戦は得意だけど軍略なんて知らないもの。」
アンちゃんに褒められた。俺は褒められて伸びるタイプなんだ。もっと褒めて。
「いやー、たまたまだよ。それに今回は真っ当な戦いじゃないしね。」
「それで、私たちは草原の方から行くんでしょう?どうするの?」
「それなんだけど大草原の中を通って、大回りして帝国軍の後ろへ行こうと思う。」
「後ろから帝国兵に嫌がらせをするのね。」
「まあ行けば分かるよ。」
真夜中、俺とアンちゃんを含む50名の冒険者達は暗闇に紛れて城門を出ると、それぞれ小グループに分かれて目的地へと向かった。俺とアンちゃんは通いなれた大草原方向へ。
「今回は見つからない様に、何時もの大草原の縁ではなくある程度奥の方を通って行こう。」
「了解よ。魔獣が出てきたら、先ずは私に任せてね。」
情けないけど頼りにしてますアンちゃん。なんせ女神様に強化してもらっても身体能力は一般人並みだからね。
夜のうちにある程度大草原へ分け入れた俺たちは、そこで明るくなるまで待つ事にした。
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