第11話

 何か気分がモヤモヤする。ファイヤーボールが最後どうなったのかが気になって仕方ないのだ。「そうだよ、夜だったら良く見えるんじゃないか?」最近独り言が多い、寂しいおっさんです。

 という事で、夜もう一度試してみる事にした。良く見える様に大きさもバスケットボール大位に大きくしてみた。本日はお日柄もよろしく曇り空。いつもより真っ暗である。観測日和。


 よし発射!。勢い良く飛び出した火球は上昇を続け、雲を突き抜けて見えなくなった。凡そ500~1000m位は飛んで行くみたいだ。雲を突き抜けて行ったので最後どうなったのか分からないけど、ひとまず実験成功。


 そんなことを考えていたら、”パーン”と言う音が聞こえてきた。え?ファイヤーボールって最後破裂する魔法だったの?でも昼間やった時は何も聞こえなかったよね。

 試しに何発も撃ってみたら、3発に1発くらいの割合で音がした。ファイヤーボールって当たりはずれがあるんだろうか。くじに使えるかも。


 そしてお待ちかねの夕食です。本日のメニュー”も”、イモとウルフ肉の水炊きです。鑑定したら食用に出来る葉っぱもあったので彩にいれてます。イモは茹でた事で柔らかくなり、生で齧るより格段に美味しく頂けるようになりました。ウルフ肉は鑑定したら捌き方が分かったのでナイフでやってみました。慣れないので大変だったけど、タンパク質大切。葉っぱはビタミン、ミネラル、食物繊維の補給かな。水炊きなので、素材の味を生かした素敵な料理です。うん、上手くない。せめて塩があればな。早く人の居る街にたどり着きたい。


 更に歩く事数日。ついに川があった。なんと川沿いには道らしきものもあった。やった、文明バンザイ。もちろん舗装なんてされていないが、これで草に足を取られる事も無い。歩き易いよ。道って偉大だな。


 そんなこんなで道を辿って2日くらい行くと、何やら町らしきものが見えてきた。素直にうれしい。これでボッチともおさらばだ。偉いぞ俺、よくやった俺。おっと、女神様にもお祈りを。コーラス様ありがとうございます。


 喜び勇んで町にやってきた。町と言うより街と言う規模だな。その街が川沿いに建っているいる。所謂いわゆる城塞都市の様な感じで城壁でぐるりと囲まれている様だ。その街だが遠目に見ても物々しい雰囲気だ。近づいて行ったら兵士さん達に取り囲まれてしまった。

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