総督の執務室は各種族で混み合っています

@shingo555555

第1話

赴任


「アルフレッド・マイヤー中尉、惑星J-12リベリタ、及びその周辺惑星5星を含む、ロンディアナ星系の代理総督として、駐在することを命ずる」

司令官執務室に呼ばれた僕は、司令官同席の元、突然副司令官のヤニス准将に辞令を言いわたされた。

「また着任と同時に昇進で少佐となり予備役へと編入される。駐在期間は未定。次の総督が赴任するまでとする。当該惑星の復興と安定に努めよ。

おめでとう、マイヤー代理総督。期待している。では、我々は連絡艇が待機しているので行かねばならない。名残惜しいがさらばだ」

そう言って部屋から出て行こうとする。


いや、ちょっと待ってくれ!

「えっ、はっ!?私がこの惑星の総督っ!?どういうことですか?きちんと説明してください!」


僕が抗議の声を上げるとヤニス准将は面倒くさそうに

「時間が迫ってるのだがな。とりあえず詳しいことはこれを見て星に降りてみれば分かるから、ではっ!」

と言って、持っていた端末を僕に押し付け、足早に部屋を出ていこうとする。


「ちょっ、ちょっと、いくらなんでも説明が少なすぎませんか!?中尉の私が総督?代理だとしても!着いたら少佐?こんな末端の星系に置いてきぼりですかっ!昇進も何か餞別みたいですし、すごい不安なんですけど!」


「いいじゃないか、昇進できるのだし。予備役とはいえ佐官だよ、佐官、かっこいいじゃないか!これからのご時世、もう昇進なんて、ほとんどできないんだから、受領しておきなって」


「いや、それは昇進できるのは嬉しいですが、どんなところかも分からないのに、すぐにはいとは言いづらいですよ」


と僕がさらに抗議しようとしたら、今まで黙っていた司令官が口を開いた。

「マイヤー中尉、これは命令である。貴官は惑星リベルタに赴任しなければならない。これは決定事項であり、抗命は許されない。

だが、まぁ、少々説明不足ではあった。ヤニス、勢いで乗り切ろうとしすぎだ」


「はぁ、マイヤー中尉が理解する前に押し通そうとしましたが、ダメでしたか。しかし、状況を説明したら、懲罰を受けてでも断られるかもしれませんよ」


「そうなってはしょうがない。なんなら、もしマイヤー中尉が断ったら、君が総督にでもなるか?まだ、間に合うぞ?」

いやいや、私なぞとても惑星の総督なんて無理ですよという、司令と副司令の会話を聞いていると、僕はどんどん不安になってきた。


「ということで、ヤニス副司令、彼が納得できるように改めて説明を」

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