第26話 早起き

木々のにおいがする

空は穏やかだ

朝の紅茶を入れ

定位置に居座っていると

網戸越しに神様の使いが

訪れる

“おはよう”と…


始業まで2時間ちょっと

何をしようか


陽がいつもより優しく差しているような

気がして


一階で母がまな板をトントンしている気がして


両親は100km先だけどね…


新聞もとっていないし


外に行く用事はないが


サンダルを引っかけて


ベランダに怠惰な自分を持っていく


すがすがしい気持ちで

妻の寝顔に声を掛ける


“おはよう。今日もいい日だね”と…

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