第20章―消せない罪―2

 

 はじめは只の好奇心。

 それが私の中の何かを狂わせた。


 あの頃は今よりも世界は混沌としていた。



 種族同士の醜い争い。



 "怒りと憎しみ"



 "絶望と悲しみ"



 "復讐と殺意"



 そして、生命の謎と人体の神秘。

 私はその中の一人だった。


 この世界で私は一人の医学者にしか過ぎない。彼らは互いに違う種族に関心を持ち、敵対する相手の弱点を知る為に、それを最大限に利用する。禁断の領域に踏み込む事で彼らはより強くなろうとしていた。


 神から造られた「人間」その生命の神秘を探る為、彼らは禁を犯す。すなわち、人体の解剖と人体実験。特にそれが酷かったのは後先にも人間族ヒューマだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る