おまけ あの男の子のこと

 兄さんの母校に、無事に合格して、今日は入学式。

 これからどんな高校生活になるのか、ワクワクしている。

 今は入学式を終えて、最後に席替えをして帰る。

 俺は窓側の1番後ろに決まった。

 席替えが始まり移動開始。

 無事に席に着くと、隣の人は女子生徒だ。

 長い髪に、前髪は綺麗に切り揃っている。

 ブレザーの下は指定のカーディガンではない、水色のカーディガンを着ていて、ブラウスのボタンで上3つ外されていて、胸元がチラッと見えている。

 この子は、いわゆるギャル、なのか。

 よく分からない。



「よろしく」


 と言うと、その子はじっくり俺を見てからニコッと笑って一言。


「よろしくね!」


 優しい声音で彼女は言った。

 俺、宇城うき幸虎ゆきとらは、隣の席の田南たなみこうさんと、距離が縮むことになろうとは、まだ知らない。

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