13話 お返しを探す男子会

「お返し、どうするよ?」

「だよなー」

「だから今ここに来てるんでしょ~?」


 俺と挑夢のぞむ拓郎たくろうは、それぞれもらったチョコのお返しを考えるべく、ショッピングモールに来ていた。

 全く分からない。

 ただハンカチ、タオルはダメってことだけは3人で情報共有して、他に何が良いのか考えていた。


「ハンドクリームは?」

「いや、肌トラブルは避けよう」

「文具は?」

「好みが読めん」

「あっ、お菓子は?」

「なるほど、良いかもな」


 お菓子というざっくりしたことは決まった。

 では、何のお菓子が良いのだろうか。


「調べるか」

「「うん」」


 スマホで適当に『ホワイトデー お返し お菓子』と調べてみた。

 ザッとスクロールして見ていくと、とある菓子が目に留まる。


「これなんてどうだ?」


 挑夢と拓郎に見せてみると「良い」という反応が返ってきた。

 てなわけで早速、店を探す。

 30分かかって取り扱う店を見つけてそこに入店した。

 彩りかつ味も様々にあり、迷ってしまった。

 挑夢はパッと決めて、次に拓郎が決まり、最後の俺は頭の中で考えすぎて、決めるまで1時間はかかった。

 遅いと、2人にいじられたが、気にはしない。


「喜んでもらえると良いね~」

「ドキドキするな」

「だな!」


 男子3人、真剣に考え抜いてのお返しを持って歩いて帰る。


 お返しは、金平糖。

 永遠の愛、という意味が込められているそうだ。



 帰っている時のこと。


「拓郎、宮司みやじからチョコもらったろ?」

「うん、それが?」

「どう思った?」

「嬉しいに決まってんだろ!」


 拓郎は声を出して笑う。


「アイツがくれたから、チョコゼロ回避したわけさ!」

「「えっ」」


 俺は挑夢を見た。挑夢も俺を見ている。

 2人で目で会話した。


 挑夢、これはまだ分かってないんじゃないか?

 雅虎、だと思うよ、怖い怖い。


「チョコ、手作り、だろ?」

「あー、確かに。美味かったぞー!」


 挑夢とまた目で会話する。


 コイツ、馬鹿だ、大馬鹿だ、きっと買った菓子の意味を見てないぞ。

 それが良い所であり悪い所だね。

 ちゃんとスマホで見せたんだが、何故だ?

 うーん…分かんない。


 苦笑いする挑夢と、頭を抱える俺を知ってか知らずか、どんどん前を歩いていく拓郎だった。


 宮司が。

 宮司さんが。


 ““””

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