13話 お返しを探す男子会
「お返し、どうするよ?」
「だよなー」
「だから今ここに来てるんでしょ~?」
俺と
全く分からない。
ただハンカチ、タオルはダメってことだけは3人で情報共有して、他に何が良いのか考えていた。
「ハンドクリームは?」
「いや、肌トラブルは避けよう」
「文具は?」
「好みが読めん」
「あっ、お菓子は?」
「なるほど、良いかもな」
お菓子というざっくりしたことは決まった。
では、何のお菓子が良いのだろうか。
「調べるか」
「「うん」」
スマホで適当に『ホワイトデー お返し お菓子』と調べてみた。
ザッとスクロールして見ていくと、とある菓子が目に留まる。
「これなんてどうだ?」
挑夢と拓郎に見せてみると「良い」という反応が返ってきた。
てなわけで早速、店を探す。
30分かかって取り扱う店を見つけてそこに入店した。
彩りかつ味も様々にあり、迷ってしまった。
挑夢はパッと決めて、次に拓郎が決まり、最後の俺は頭の中で考えすぎて、決めるまで1時間はかかった。
遅いと、2人にいじられたが、気にはしない。
「喜んでもらえると良いね~」
「ドキドキするな」
「だな!」
男子3人、真剣に考え抜いてのお返しを持って歩いて帰る。
お返しは、金平糖。
永遠の愛、という意味が込められているそうだ。
※
帰っている時のこと。
「拓郎、
「うん、それが?」
「どう思った?」
「嬉しいに決まってんだろ!」
拓郎は声を出して笑う。
「アイツがくれたから、チョコゼロ回避したわけさ!」
「「えっ」」
俺は挑夢を見た。挑夢も俺を見ている。
2人で目で会話した。
挑夢、これはまだ分かってないんじゃないか?
雅虎、だと思うよ、怖い怖い。
「チョコ、手作り、だろ?」
「あー、確かに。美味かったぞー!」
挑夢とまた目で会話する。
コイツ、馬鹿だ、大馬鹿だ、きっと買った菓子の意味を見てないぞ。
それが良い所であり悪い所だね。
ちゃんとスマホで見せたんだが、何故だ?
うーん…分かんない。
苦笑いする挑夢と、頭を抱える俺を知ってか知らずか、どんどん前を歩いていく拓郎だった。
宮司が。
宮司さんが。
““可哀想だ””
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