7話 コスプレはやってしまえば怖くない
おとぎ話の登場人物に扮していて、とても賑やかで楽しそうと思っていた。
注文した塩むすびと梅干しが入ったおにぎりを食べると、塩加減が良くてあたたかいご飯の良さを引き立たせている。
そして梅干しは種なしだから親切で、良い酸っぱさで美味しかった。
お茶を飲んでひと息ついた頃に、
すると、このクラスの生徒さんなのか、浦島太郎に扮する男子と、制服を普通に着ていたリーダー的な女子が来た。
なんと、雅と雅虎君がいないから、人手不足とのこと。
私はそれを聞いてウズウズしてきた。
コスプレ…したい!初コスプレデビューしたい!
私はリーダーの女子に歩みよりグイグイと「良ければお手伝い、したいです!」と言った。
すると「ありがとうございます!是非お願いします!」と私の手を握って嬉しそうな顔になった女子。
挑夢君は巻き込み事故で受付を任されることに。
※
「改めまして、
「
自己紹介はそこそこに、目の前にはコスプレ衣装がいくつかある。
「スラッとしていて身長高いから、綺麗に着こなせそうだね」
「いやいや~♪」
中学でグンと伸びた身長。
あの時はコンプレックスに感じていた。
小さい女子が可愛く見えて羨ましくて。
今は気にしていない。これが私よと自信を持っている。
何かと高い所に手が届くから、買い物の時は苦労しないし。
それにしても、どの衣装も魅力的で悩んでしまう。
でもやはり定番にしてみようと思った。
「このメイドにしようかな」
「あっ、良いね良いね!」
早速着替えて、ミラースタンドの前に立った。
膝が見え隠れする丈のスカートはふんわりしていて、エプロンは後ろでリボン結びになるため可愛らしい。
三つ編みをポニーテールにしてカチューシャを付けると、雰囲気が出てきた。
「良いかも」
「すごーい!誰も着たがらなかったから報われたー!可愛い!」
里ちゃんが喜んでいる。嬉しい。
「ありがとう!これで決まりだね!」
「うん、良かったー!」
更衣室から出て、早速お手伝いを開始した。
笑顔で接客して、とても楽しい時間となった。
真っ先に挑夢君に見せた時は「見違えた~、可愛い~♪」と言ってくれて、私は感無量に。
人生初のコスプレは上々となった。
この後、メイドのまま挑夢君と一緒に保健室に。
雅の驚いた顔は忘れられない。
びっくり作戦が成功して良かった。
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