第63話
「何で…
「だっで…だっで…」
私は知らないうちに泣いていたけど、まさか一緒に泣いてくれるなんて思わなかった。
私よりも、絢子ちゃんは大泣きしていた。
顔はぐちゃぐちゃだ。
「うぅっ…泣ぐごどじが…でぎないもん…」
向かいに座る
「ほら、使え使え」
すると、絢子ちゃんは勢いよく数枚取り出し、大きな音で鼻をかんだ。
「わだじ、決めだ…」
絢子ちゃんの瞳には炎がめらめらと燃えているように見えた。
「ぜっだい、みおなん、まもる!」
ズズッと鼻を啜りながらも、宣言した絢子ちゃん。
私にはもったいない言葉であり、頼もしく思った。
「ありがとう…絢子ちゃん」
私は絢子ちゃんを抱き締めた。
「うぅっ…ぐすん…みおなーん!」
こんな素敵な子と同じクラスで良かった。
「絢子ちゃん」
「なに?」
「前に友達になろうって言ってたけど…」
「うん」
「よろしくね、お友達!」
絢子ちゃんはポカンとした顔から。
「みおなん…みおなーん!!!」
「ちょっ!絢子ちゃん!?」
感極まったのか、また絢子ちゃんは泣いた。
「瀬戸君も…湊君も、よろしく、お、お願い、します」
緊張し過ぎて噛んでしまった。
「あぁ、よろしくな」
柔らかな微笑みにドキッとしてしまった。
これで、2人と友達になった。
※
『みおなんのこと、解決!』
絢子からメッセージで連絡が来た。
『友達なった!』
それは良かった。
※
これで一安心だね。
※
「お~、良かった良かった~」
スマホを学習机の上に置く。
ボフッ…。ベッドにダイブ。
考えていた。
『
あの時、“好き”と言ったけど、“友達だからね”て誤魔化した。
確証は持てない。
一方通行かもしれないから。
とりあえず、少しは運動しようかな。
3年生に上がってから、急に身長が伸び始めていて。
最後の悪あがきのような感じだ。
だから、僕は、運動していこうと思う。
「変身…出来るかな…」
そんなことを考えていると、深い眠りに落ちていった。
※
良かった。
これで仲良くなれるかな?
と、そんな事より。
「
何で気付かないのか。
しびれ切らしそう。
言いたいー…。
そんなことを考えていた。
※
良かった良かったー!
安心だね。
1つ解決したのに、自分のことはまだ。
ドキッとしてしまった、損した。
あー、幸虎君の言葉が引っ掛かる。
どうすれば、良いんだろう?
分からないよ。
※
たいした後輩だ。
良い学校生活を、青春を送れると良いな。
ところで、
ビンタはされ、言葉を濁され、なんだ?
俺、悪いことしたっけか?
考えても分からなかった。
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