回想 幼馴染みの会話

 幼稚園児のまさとらくんとのぞむくん。


「のぞむくん、一緒に遊ぼう?」

「いいよ~、遊ぼうまさとらくん」


 いつの間にか、1つ上のきょうこちゃんとまさみちゃんが加わった。


「きょうこも一緒に遊びたい!」

「まさみもだめ?」

「「ふたりともいいよ、遊ぼう」」


 ある日の会話。


「ねえ?まさとらくん」

「なあに?のぞむくん」

「好きな子いる?」

「いるよー」

「だれ~?」

「きょうこちゃんでしょ?まさみちゃんでしょ?あと、なっちゃんに、ゆうちゃんに」

「いっぱいいるね」

「だめなのかな?」

「大人はそうらしいよ~」

「ふーん」



小学生の頃、夏休み。


「のぞむ、今日もカブト虫を捕まえようぜ!」

「また~?あきたよ~」

「ほら行くぞ!」

「え~」

「あたしも行くー!」

「まさみもー!」

「男同士で行きたかったのに、しょーがねーなー」

「結局、4人だね~」



 中学生の頃、突然の出来事。


「好き、私と付き合ってまさちゃん」

「でも…」

「内緒にすれば良い」



 壊れてしまった。

 修復は出来ていない。

 仲の良かった4人は、1人を除いて、“幼馴染み”という彼らにとって特別な関係は続いていた。


 そして、高校生。

 再び、壊れようとしていた。


 仲良くなって信頼関係が強固になるのはゆっくりでも、関係が拗れるのはあっという間。


 恐い話だ。

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