プロローグ 2

「それでは席替え始めて下さーい」


 ガタガタ、ゴトゴト…。


 席替えの移動が始まった。

 私は直ぐに動いた。

 窓側から数えて2列目の1番後ろ。

 私の前に、体格の良い男子や背の高い人がいなくて良かった。

 隣には、話した事のない男子生徒。

 名前は、宇城うき雅虎まさとら

 背は割りと高く、髪は若干ボサッとしている。

 よく見ると、眠たそうな目をしているのに、どこか力強さが宿っているような瞳に、ちょっとだけ気圧されそうになる。


「よろしく」


 一応、挨拶してみた。

 すると彼は目を大きく見開いて驚いているようだ。


「よろしく」


 返ってきた。

 そんなに驚かなくても良いのに。

 しかも見てるし、何なの?


「何ですか?」


 すると、何か伝わったのか、彼は「あっ、ごめん…」と言って前を向いた。

 心の中で溜め息を吐く。


 あー、席は外れかもしれない。


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