第2話 駄女神の駄目でない部分が目覚めた
駄女神の駄目でない部分が目覚めた。しょんぼり女とは裏腹にきりっとした女神がダブる。駄女神からダメを取ったら神だ。
彼女はとても親切に相談員にどうするか説明してくれた。どうせいざという時に助けなきゃいけないから転生させろという。
駄女神は未熟を言い訳にして女神に代行を頼んだが、一蹴された。
「でも」
駄女神は少し不機嫌だったが、相談員も万能でないので渋々作業に着手した。
そもそも転生という行為自体がイレギュラーだ。
通常なら死んだ人間は冥界で待機し因業に応じた課題解決のため転生する。その際に前世のしがらみは阻害要因でしかないのでリセットされる。記憶を継承して新しい肉体で人生をやりなおさせる手段は、あくまで不可抗力が生じた時の救済手段だ。
親子の転生は事例があるからいい。問題は胎児込みの転生だ。誕生前の本人も親とは別の課題を背負っているので切り分けが難しいし、失敗は許されない。
転生失敗の転生でぐちゃぐちゃになった因業は閻魔大王でも把握できない。
「このまま転生させてもいいけど。やっぱり人を転生させても自分のせいにしてしまうけど」駄女神は仕方なく創造神による補助を提案した。
女神を通じて申請したが、これには冥府が難色を示した。
「わたしとしてもお願いしたいと申し入れたので。神様だって人間を転生させようという魂持ちの神様は稀なのでしょう。神をも恐れないというのでなんであれやるんですけど」
相談者はあっけにとられたが、神様に転生させる気が無いというなら、自分でやると言い出した。
「やってみないとわからないけど」
駄女神は相談者の方をもう一度見た。相談者の顔は曇っていた。
前代未聞だし、しくじると魂じたいが無に帰すと女神はリスク説明をした。
「わかった。それで」
駄女神から「神様の部分」を借りて相談者は自分の魂のまま転生させた。
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