第3話
そして、ついに、待ちに待った5歳になりました。
今日は神殿への魔力測定の日。メイドのリリーにフリルが沢山付いたドレスを着せて貰い、軽くお化粧して両親ともに馬車へ乗り込んだ。兄は「アイラの生涯に残る1ページを見ておきたい!」と泣いて行きたがっていたが神殿には保護者のみの参加の為、泣く泣くお留守番となった。
神殿に大人数でひしめきあってトラブルになるのは避けたいしね。
「アイラ、もし、魔力が無くてもパパはアイラが居るだけで幸せだからね」
「そうね。パパもママもノアも魔力は人より少ーし多目にあるからアイラも有るとは思うけど、無くても心配しないのよ」
「お父様、お母様大丈夫。私、儀式楽しみ!」
両親と魔法の話をしながら魔力測定後の将来に想いを馳せていると馬車は到着した。神殿には5歳になった平民から貴族までの子供達が魔力測定の為に沢山並んでいたわ。
私も貴族だけれど、謙虚にしっかり順番に並ぶ。ここ重要!
列に並んでる子達の測定の様子を見ていたけれど、どうやら水晶に手を翳すと得意属性が光るみたい。水晶に魔力を流すのかしら?手を乗せるだけ??ドキドキワクワクよね。
魔法には火、土、風、水や光、闇が種類としてあるんだけど、得意属性というだけあって自分が一番相性の良い属性を神殿で調べて強化していく感じになるみたい。
魔法はレベル1から7までランク分けされていて、そのうち得意属性はレベル5まで使えるけど、それ以外はレベル1のみ使えるような感じ。
実際には得意属性以外は使えない人も多く、魔力量や素質もあって得意属性でもレベル5まで使いこなせるのは王国魔法師でも一握りらしいのよね。
あと、光と闇属性は特殊らしく他の属性持ちより人数は少ないみたい。属性外で光属性魔法の治療や闇属性魔法の幻術が使える人は更に少ない。この2属性が使えた時点で就職には困らないと思うわ。
魔法の解説を一人思い浮かべつつ、見ていると、うっすら赤や緑色に光っている子が何人かいた。あの子達は学院で一緒になるんだろうな。
悲喜交々儀式を終えて帰ってく人達。
ついに私の番がきた。
「水晶に手を乗せて下さい」
神官の合図でドキドキしながら水晶に手を翳すと…。
強い光を放ちながら茶色、緑色、水色になり、光の収束と共に薄い黄色がほんのり出ました。
おぉー!めっちゃ強い光!
生まれた時から魔法使いまくった成果が出たよ。なんか感動するわ。
水晶を見て驚いた神官と両親。慌てて別部屋に連れていかれましたよ。
「こちらでお待ち下さい」
って通された部屋のソファにお父様とお母様の間に私が挟まる感じで座っていると、さっきの神官が何だか偉そうな服の人がを連れて来ました。
「お待たせしました。私がこの神殿の司教ヨハンです。お嬢様の今日の儀式の件なのですが、ご両親様も気づいたとは思います。4色の属性の適正が見られました。光の属性は他の属性に比べ弱いようですが、神殿としては、聖女とはいかなくても聖女候補や治療師としてお嬢様をお預かりしたく思っております」
やだよ。家族と居たい。
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