第2話

 数日経って判明した事。それはこの世界は魔法が使える。前世の記憶を漁ってラノベやゲームを思い出したが、どうやら自分のやってたゲームや読んだラノベには該当しないらしいって事は分かった。


 勿論、ステータスオープン!って言った所で何にも出てこなかった。現実で言ってみるとちょっと恥ずかしいね。部屋やお世話してくれるメイドさん達から推測すると中世ぽいのよね。


 そして私には5つ離れた兄がいた。ノアって言うらしい。これまた金髪碧眼の天使。しょっちゅう私のほっぺを触りにくる。


兄は私が微笑む度にぎゅーぎゅー抱きついてくる。もう既に妹愛が半端ない。家族はみんな仲良しそうで良かったよ。冷めた家庭には居辛いしね。


周りの状況はまだこれくらいしか分からなかった。


まぁ、赤ちゃんだし、今は何にも出来ないからラノベ代表の初期魔法ライトを使って時間潰ししようかな。これが意外といけちゃったんだよね。思い浮かべるだけで小さな光の球がポワァと目の前に出てきた。


やっほーい!


憧れの魔法使いデビュー!


まさか魔法が使えるなんて夢のよう。


仕組みなんて分かんないけど楽しいんだよね。でも赤ちゃんがぽいぽい魔法を使ってたら絶対怪しまれる事間違いなし!他にも水を出したり、火を出してみたいけど、なんせ赤ちゃんなもんで何かあっても対処出来ないから安全第一に考えてライト魔法を使うわ。


それに常に魔力を使う事で魔力量も増えるよね。みんなの見てない所で練習しまくるわ!





 そんなこんなで3年が過ぎました。頑張ったよ私。身体は幼児で走る事すら覚束ないけど、中身は大人ですからね。

 

一応、不審がられないよう言葉使いも人前では気をつけてる。親バカ代表と言っても過言でないイケメンのお父様が『うちの子天才!』なんて職場で親バカ発揮して目立ってしまうと色々と面倒だしね。

 

前世では毎日仕事に追われて人生を損に生きていたと思う。今世は自由気ままに生きたいわ!


 そうそう!3年間ライトで魔力訓練を毎日行ったおかげで成長と共に魔力量がグンっと上がったんじゃないかと思ってる。自分で言うのもなんだけど、魔力増えたなーって体感はあるんだよね。5歳で魔力測定が神殿で行われるので今からが楽しみ。


魔力持ちって貴族は持ってる人が多いかな?位で無い人もいるみたい。王族はやっぱり相当な魔力の保持者なのだそう。



 あとね、この3年間で新たに分かったのは、ここはマルカ王国、我が家はスペンサー侯爵家。領民とも仲良く、程々に裕福な貴族。現在、私にも兄にも婚約者はいない模様。 


 そしてこの国では12歳から17歳までの6年間は勉強と、貴族社会の人脈作りに学院へ入学。


あ、成人は16歳からなんだって。

将来何になろうかと考えたけど、学者も楽しそうだし、魔法師ってのも憧れるよね。


前世の記憶がある分他の人とスタートが違うのをここぞとばかりに利用しない手はない。それと天使な兄が侯爵を継ぐので私はある程度好きにしていいと思う。





 3歳になった私は今日から兄の横で勉強する事になりました!兄は剣術、魔法に加え座学の勉強や領地の勉強で大忙し。そういう私も今日から淑女教育と座学の勉強に入るみたい。


 魔法の勉強は5歳からなのでそれまでは黙って一人コツコツライトで魔力訓練を行う感じかな。前世の知識としては広く浅いけど、スタートが他の子と違うからその分は優遇されてる感じよね。頑張るわ。



 毎日勉強と家族からの溺愛の日々。勉強は先生からも褒められてますよ。将来有望だって先生は喜んでた。まぁ、中身はアラサーですからね。


 

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