えるじーず!

坊主方央

ベテランバニーガールと新人バニーガール

第1話〜新入りは小学生?

私は正真正銘のバニーガールだ。


歌舞伎町のキャバクラ「moon28トゥエンティエイト」で働いている28歳の独身、貯金は560万円くらい。


傷んだ茶髪に自分でもキツいと思う程のツリ目で、自分でもナイスバディだと思う程の良い身体。


これで公務員と結婚したら老後は安心、私の人生は最高…って、考えてたンだけど。


「今日から入る子だ、お前にはこの子の教育係をしてもらう。」

「…あぁン?」


このクソ店長は頼んでもいないのに無駄な仕事ばかり運んで来やがる。しかも…


「よろしくおねがいします!わたし、にーなって言います。片寄かたよりさん、これからお世話になりますね。」


私より随分と小さく貧相な身体に、ハーフツインテ。どう見てもカモの顔。このクソ店長はロリコンなのか?


「店長、小学生を店で雇うのは禁止されているンだけど?」

「この子の学歴や資格を見ていないからお前はそんな事が言えるんだ。この子はお前より優秀で、ウチの店では勿体ない位なんだ。」

「経歴よりも仕事出来るかどうか、が気になってンです。」


ったく、無駄なことをペラペラ話しやがる。店長変わってから、ロクなことがないンだよ。


それより…こっちを見てくるな。多分大学生ぐらいか?このチビ。


「俺は先に行っておくからにーなちゃんに教えといてくれ。」

「話はまだ終わってないンだっ…あぁン?あのクソ店長が。」


他のバニーガールに呼ばれて、店長は待機室から出ていった。人の話をこれっぽちも聞かねぇな。


ん?なんか視線を感じる…あぁ、コイツか。


「片寄さん、わたしは何をすれば良いですか?みなさんのお役にたちたいんです!」

「はぁ…これも仕事。」


こういう希望にキラキラしてる甘ちゃん、私は大嫌いなンだよ。というか、本当にこのあまちゃんはバニーガールの衣装似合わないな。チビだからか?


「ンじゃあ、最初は簡単なトコから教えるからちゃんと聞けよ。」

「はい、よろしくです!」


おいおい…歩く度に足が震えてるンだが?もしかしてこのチビ助はヒールを履いたことがないのか?


…嘘だろ?




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