第6話 もう逃さない
第6話
来た!来た!来た!
やっぱり、気が付いてくれた!
本当に最高だ!
「最初は何となくだ。何時もの闇崎なのに、何処か嘘くさい感じがしてな…」
(まぁ、気の所為だと思ってたけど…)
そうです!嘘です!
ああ、気が付いてくれるなんて嬉しい!
私達を見分けられる人間なんて、お母さんしか居なかったもん!
嬉し過ぎて闇崎ちゃんポイント1000あげちゃう!
いや、落ち着け私。
まだ供述パートなのだ。
興奮するのはその後だ。
「映画を見た後で確信したよ。お前、目を逸らさねぇんだよ。アイツなら、目が合った途端に逸らすのに、お前は逸らさなかった。まるで、それを望んでるかの様に。」
…しまった。
やらかしちゃったよ…
つい、余裕の態度が隙を作ってしまった!
でも、それでも気が付いてくれたのは嬉しい!
これが矛盾か…
「お前、一体誰なんだ?」
「ふふ、バレちゃあしょうがない。ネタばらしと行きましょうか!」
と、手を叩く。
すると、後ろから隠れていた姉が出てきて…
「ドッキリ大成功♪」
「いや、失敗だと思うよ。バレたしね…」
「えっ、闇崎が二人!?いや、双子か!」
「うん、大正解♪」
「私達、双子なんです♪」
彼はかなりビックリした顔を見せてくれた。
うん、こういう顔も良い!
「ビックリしたな…」
「ごめんね、竜馬さん。入れ替わったら、どんな反応を見せてくるか気になったの。」
「私も姉の新しい友人がどんな人か気になりましたから…」
「成程ね…で、お眼鏡にはかないましたか、双子さん?」
「「勿論♪」」
ふふ、もう決めました。
もう合格です。
絶対に逃さない。
さて、始めましょうか…
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「「あの、すみません…」」
「あれ、闇崎さん?えっ、二人…」
「「貴方の縁、切らせていただきますね♪」」
私達は、彼に繋がる私達以外の糸を切り始めた。
こうして、彼と繋がろうとする人達を排除する。
元々友達は少ない人間らしいので、消えても影響はあまり無いだろう。
「後何人かな、お姉ちゃん?」
「この近くでは後数十人かな♪」
「そっか、頑張らななきゃ♪」
少しずつ少しずつ頑張っていこう!
「きゃっ!」
「「大丈夫ですか?」」
「ありがとう、大丈夫だから。」
「「そうですか、それは良かった。」」
本当に良かった。
これから直ぐに、私達のお義母様になるのだからね…
「「…あれ、もしかして竜馬さんのお義母さんですか?」」
「あら、もしかして、竜馬のお友達?」
「「はい、仲良くさせて貰ってます!」」
外堀は埋める物、古事記にもそう書いてあるのだから。
これからも頑張ろう、狙った獲物を手に入れるまで。
続く
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