第10話 死んでも変わらぬ彼女

第10話


「ぷはぁ、これ結構疲れるな!でも、やってやったぞ!」


冷たいから、余計に体力持ってかれたしな!


まぁ、所謂『エナジードレイン』の能力を持ってたかとしれないが…


そして、Bの方は…


『嬉しい!でも、リュー君を汚しちゃった!どうして?でも、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!』


ああ、めっちゃ動揺して悶てる…


そんなに俺のキスが嫌だったのか?


まぁ、これぶっちゃけ唯のセクハラだしね…


化け物に適応されるかは知らないが…


『大丈夫だよ、リュー君。あれは嬉しさと、そんな喜んでしまう自分に嫌悪しちゃうという矛盾に苦しんでるだけだから。ざまぁw』


おお、辛辣。


でも、そんなになのか…


『でも、羨ましいなぁ…』

「えっ?」

『ふふ…』

「ちょ、怖い!怖いから!そんな目で躙りよって来ないで!?」


駄目だ!


コイツ、獲物を見つけた肉食動物の目をしている!


捕食者だ、何処ぞのゴーヤな健啖家みたいに喰らい尽くすつもりだ!


「こら、そこ。イチャつかない!」

「イチャついてはねぇよ!?」

『むう…邪魔が入った…』


まぁ、彼女のお陰で助かったよ…


「ふぅ…で、どうするんだアレ?」

『食べるの。』

「「え?」」

『食べて、取り込んで、朱里ちゃんトゥルースになってから道連れするつもりよ。』


そう言いながら、AはBに近づき…


『いただきます。』

『…あっ、化け物!?ちょ、やめ…』


素麺を啜るかの様に、BはAへと吸い込まれていく。


成程、ああやって取り込むのか…


そして、完全に吸い込んだ時…


『ふぅ、これで元に戻った!』


Aの姿までもが、Bと同じ様になる。


だが、気配はAのままだ。


『じゃあ、これで私は消えるね。』

「そうか…」

『ふふ、リュー君。何で泣いてるの?』

「えっ?」


俺は何故か泣いていた。


自分でも理解が出来ない。


でも、自分の大切な物が消えていく様な気がしたのだ…


『大丈夫だよ、リュー君♪』

「えっ…」


彼女の唇が、そっと俺の唇に振れる。


そして…


『ずっと見守ってるからね♪』


彼女は消えていった。


その場に、シンプルながら目が離せなくなる様な指輪を残して…


「ふっ、見守るってそういう形かよ。相変わらず無茶苦茶だな、…」


…俺は何故かそう思った。


続く

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