第12話 愛、幸せはお兄ちゃんの味
第12話
遂に限界が来ました。
もう、お兄ちゃんを食べたくて仕方がありません。
私はどうすれば良いのでしょうか?
「い、伊お…織……」
お兄ちゃんもボロボロです。
抵抗とかしなさそうなので良かったです。
でも…
「はぁはぁ、だ、大丈夫だ、い、伊織…おま、お前の……好きな………様にしてくれ…………」
流石、お兄ちゃん♪
こんな事まで赦してくれるんだね♪
なら、最初は…
「全身くまなく食べさせて貰うね♪」
ああ、気持ち良いなぁ…
お兄ちゃんに精を吐き出して貰う事がこんなにも気持ち良い事だなんて…
次は、首を噛もうかな?
「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「大丈夫だよ、すぐ済むから。」
息の根をちゃんと止めてあげるから。
そうお兄ちゃんに想いながら、首を強く噛んでいく。
少しずつ、少しずつお兄ちゃんの熱が冷えていく。
ああ、死んでいってるねお兄ちゃん…
でも、大丈夫だよお兄ちゃん…
「美味しい、美味しいよお兄ちゃん!」
極上な味だった。
目も鼻も、口も、耳も、腹も、腕も、足も、臓物も、全てが全て美味に感じた。
美味しいが止まらず、食欲も溢れ出ていく。
「これが、お兄ちゃんの味かぁ♪」
ああ、私は幸せ者だ。
ずっと、お兄ちゃんと二人で居られるなんて!
「美味しい、美味しいよぉ。ありがとうね、お兄ちゃん…」
私は気が付きました。
これが…これこそが……
「愛、幸せの味なんだね、お兄ちゃん♪」
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私の名は霜崎 伊織。
一人っ子の中学生です。
皆からはそう思われています。
私の友達も、お母さんも、全てにおいて例外なく、皆がそう認識しています。
でも、私は違う…
「お兄ちゃん、私と一緒に今日を過ごそう♪そして、明日も、明後日も、その先の未来も♪」
あの時から、私とお兄ちゃんは一つになりました。
もうお兄ちゃんを食べる事は出来ませんが、感じる事、一緒に居る事は出来続けているのです。
そして…
「もう直ぐ産まれるからね…」
お腹を擦りながら、そう呟く…
お腹の中に居る、お兄ちゃんとの愛の結晶に向かって…
私は今日とお兄ちゃんと共に生き続けます…
お兄ちゃんが居ない、この世界を…
伊織ルート
トゥルーエンド 『愛、幸せはお兄ちゃんの味』
完
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「はい、伊織ちゃんの物語は一旦此処で終了です。」
ご愛読、ありがとうございました。
いやぁ、愛の味(笑)でしたね。
はは、本当に気持ち悪い(笑)。
さて、物語はまだまだ続きます。
次は少し優しい世界かもしれませんよ?
読者の貴方がそう思うかは別問題ですが…
では、次の物語をお楽しみください。
続く
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