番外編3 真•本来のルート

番外編3


私の名は雨崎 朱里。


私には大切な幼馴染、いえ最高で最善、最強で最大で最上な幼馴染様である霧崎 竜馬…リュー君が居ます。


私は彼に救われたのです。


私はいじめられっ子でした。


そんな私を記憶を失い、私との縁が切れた筈のリュー君は助けてくれました。


私には王子様の様でした…


詰まる所、私はリュー君に惚れてしまったのです。


ですが、彼と一緒に居れば居る程に…


「ああ、何て人なの?貴方は王子様ではない、この世に降りてきた現人神だわ!」


私はそう確信した。


灼かれる程に美しい姿、近づくのを躊躇う程のその在り方。


全てが、全て私には神々しかった。


その内、好意は崇拝へと変わった。


私なんかリュー君には勿体ない。


こんな私なんかで汚れて欲しくはないし、素敵な人と出会って欲しい。


そう思う様になっていった…


だからこそ…


「朱里、俺と付き合ってくれ!」


嬉しかった。


こんな私にリュー君が好意を持ってくれているだなんて、身に余る程の光栄だった…


だからこそ、受け入れる事は出来なかった。


私なんかを選んだら、リュー君は汚れてしまう。


それだけは避けなければならない。


だから、私は涙を呑み、勇気を振り絞ってリュー君をフッた。


その後、私はリュー君の周りに居る適当な人を見繕って、リュー君に紹介して貰った。


こうすれば、大丈夫だろう。


恋愛感情は全く湧かないが、種馬くらいには働いてくれる筈だ。


そうすると、何故かリュー君は離れてしまった。


もしかして、私がフッてしまったからだろうか?


「ごめんなさい、私も辛かったのリュー君。」


でも、私は貴方様には相応しくない存在。


必ず貴方にとって大切な存在が現れるから。


そう思い聞いてみると、怒られた。


私ったら、見当違いだったみたい。


これは試練だ、リュー君からの試練なのだ。


なら、私はこれを乗り越えてみせよう!


リュー君、待っててね!


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それから数年後、私には子供が出来た。


裏で少しずつ準備もしてきた。


種馬達も洗脳できたし、幾らでも言う事を聞いてくれる。


後は芋づる式で勧誘していけば良いだけだ。


リュー君、もう準備は出来てるよ?


私の子供達は全て貴方だけの為に…


勧誘してきた人々は全て貴方の手足として…


この世に生きる全ての人間は全て貴方の物として…


さぁ、始めましょうリュー君♪


これは貴方が私を救った時から始まった物語…


…貴方と私で始めた物語を永遠に世界に刻み込もう!


確か今日の予定は、『花崎 香織との間に生まれた息子と公園で遊ぶ』だったわね…


よし、そこに行こう!


はわぁ、再会が楽しみだなぁ!


疎遠になって9年10月22日6時間32分46秒以来だもん♪


ああ、興奮が止まらないよぉ!


待っててね、リュー君♪


続く

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