第3話 記憶を失った俺は天使に出会う
第3話
よく解らないが、どうやら俺は記憶という物を失ったらしい。
お母さんやお父さん、変なお爺ちゃんやちょっと怖いお婆ちゃんは覚えてる。
でも、それ以外が全く覚えていない。
そして、俺には雨崎 朱里という幼馴染が居るらしいのだ。
幼馴染というのはよく解らなかったけど、ずっと仲良くしてきた友達らしい。
うーん、会うのが怖いなぁ…
でも、仲が良いのなら仲良くしたい気もするし…
「リュー君、入るね!」
俺の名前は竜馬だ。
もしかして、記憶を失くす前の俺はそう呼ばれていたのだろうか?
何だろう、少し恥ずかしい…
そんな事を考えていると、部屋の中に少女が入ってきて…
「えっ…………」
俺は固まってしまった。
目の前にはこの世の物とは思えない程に可愛い少女が立っていた。
何この生物?
ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!
いや、可愛いが過ぎる!
俺、こんな子と仲が良かったの!?
カワイイユニバースは此処に在ったのか…
いや、カワイイユニバースって何!?
ヤバい、頭がどうにかなりそうだ…
「大丈夫、リュー君?」
「えっ、あっ、大丈夫です。」
「その反応…やっぱり、私の事を覚えていないんだね。」
「あっ、ご、ごめんなさい…」
「大丈夫だよ、悪いのは私達を轢いたバカなんだもん。」
あっ、以外と口悪い…
それに関しては同感だけども…
「…ごめん。」
「リュー君、何が?」
「俺は君を覚えていない。そんな俺と一緒に居ても君がキツいだけ…って、雨崎ちゃん!?」
「朱里って呼んでくれなきゃ、ヤーダ♪」
と、いきなり彼女は抱き着いてきた。
何この柔らかさ。
何処か懐かしいくて、何処か愛おしくて…
俺は気が付いたら涙を流していた…
これは一体、何の涙なのだろうか?
「大丈夫、大丈夫だよリュー君。泣きたいのなら、いっぱい泣いても良いんだよ。私が全部受け止めてあげるから。」
その言葉で、俺は耐えられなくなった。
理由は解らない涙が溢れてくる。
「ご、ごめんなさい!許して、訳が、解らないのに君に、君にだけは…許して欲しくて……」
「良いよ、誰もがリュー君を許さなくても、私が許してあげるから。」
俺は泣き続けた。
恥も外聞も投げ捨てて、彼女の胸の中で泣き続けたのだ。
だから、俺は見過ごしたし、聞き逃した。
彼女が歪んだ表情で笑い…
「見ててね、化け物。ずっと、私達を…」
と、人知れず呟いていた事を…
続く
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