親友で幼馴染な彼女と決別した俺は幸せになれるのか?

クロスディアⅡ

第0話 プロローグ

第0話


幼馴染…


人によってどんな存在かは分かれるだろう。


仲が良かったり、互いに嫌い合っていたりと様々な様子が見て取れる物だ。


俺にとっての幼馴染は前者だった。


「リューくん、待って!」


と、声を上げて俺を呼び止める声が聞こえる。


はぁ、面倒だな…


「何の用だ、朱里あかり?」


俺は不機嫌さを隠そうともせず、そう答える。


そんな態度に、彼女は少し寂しそうな顔をし…


「ねぇ、今日は一緒に帰らない?」

「何で?それにお前には…」


お前の事がよく解らないよ、俺は…


何でお前がそういう事を望む?


だって、今のお前には…


「…彼氏が居るだろ?そっちとよろしくしろよ。」

「そ、それは…」


何故、黙る?


理由さえも喋れないのか?


ああ、俺には本当にお前の事がよく解らない。


もう、理解もしたくないが…


「な、何で…」

「ああ?」

「何でそんな態度とるの?何でそんなに私に冷たいの?もしかして…」


止めろ…


お前は何を言おうとしている?


まさか、やっと…


やっと、気が付いてくれ…


「私がリューくんを振ったから?」


…ああ、そうだよな。


お前は気が付かないよな…


だから、お前はもああいう事をしたんだもんな…


「…はぁ、勘違いするなよ。自意識過剰すぎて、吐き気がする。本当に気持ち悪いわ。」

「うぅ…」


何でそんな泣きそうな顔をするんだよ…


あの時も、今の俺の方が泣きたい気分だよ…


「じゃあな、朱里…」


と、俺は朱里に背を向けて去っていく。


ああ、もうダメだ。


これ以上コイツと居ると、頭がどうにかなりそうだ。


「どうして、こうなったんだろうな?」


あの時、ああしていなければ、こうはならなかったのだろうか?


あの時、俺が断っていたら、此所まで拗れなかったのだろうか?


まぁ、もう考えても遅い事だ。


「はは、未練タラタラだな…」


でも、それ以上にダメなのだ。


もう傷を増やしたくはない。


だから…


「本当にさよならだ、朱里…」


続く

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