リノとゲン*雪

「ほう、雪か」

「雪だねぇ」

「これは積もるな」

「え、そうなの? 水の精霊ってそんなことまでわかるの?」

「勘だよ、勘。何年生きていると思っているんだ?」

「んー、十年ぐらい?」

「………………………………」

「なんか、ものすんごい顔してるよ、ゲンさん」


*この後、ゲンさんは不貞腐れました。



「おぉー! 積もったねぇ!」

「む。これだと、わしは、歩けんな」

「はは、埋まってる埋まってる」

「して、リノや」

「なぁに、ゲンさん」

「その手に握っている雪玉で何をするきだ」

「雪だるま作るだけだよ?」

「……存分に作れ」


*手が小さいゲンさんは、雪合戦が始まっては勝ち目がないと思っておりました。ひと安心。



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