リノとゲン*魔具と魔石

「ゲンさんゲンさん」

「なんだ」

「ちょっと他の国の言葉、話してみて。ちょっとこの魔具の調子が悪くって(イヤリングを指差し)」

『なんだ、藪から棒に』

「ヤブから棒? やっぱり、ちゃんと翻訳してくれないなぁ」

『……どうした、急に突拍子もないことを、という意味だぞ』

「トッピョウシ?」

『……魔具も万能ではない、ということだな』

「えぇ~! 困るぅ!」

『学べ、阿呆』

「アホって何?」

「……」


*バカにされていることに気がつかないリノ氏




「おい、リノ」

「なぁに、ゲンさん」

「物を拾ってくるなと言ったのはお主だろう」

「いらない物は拾ってきたらダメって言っただけでしょー」

「そのバケツいっぱいの石はいる物なのか?」

「ああ、これね。石と魔石って匂いが違うんだって。確かめようと思って」

「仮に匂いがあるとして、人間の鼻では分別つかんだろう」

「えっ」

「なぜ泣きそうになる」


*石は無事、川辺に返されました(ゲンさんによって)

*ボケとツッコミが交代できる一人と一匹のようです。



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