エピソード27 テルル村
早朝からの行軍が進み、日が暮れようとしたところで
途中、何度か
兵士たちは誰ひとりとして
ちなみにクリフトリーフは
村の名前は『テルル村』──
村の広さはそこそこあるが、ほとんどが畑であり、いわゆる
アドニスは村人を集め、村長らしき人物と対話し始めた。
「まずは助けにくるのが
「いえいえ
彼が、そう述べて深々と頭を下げる。これまた
感謝の言葉を耳にして、アドニスが眉をひそめる。
「怪我人がいないのか。報告を受けてから一週間だぞ?」
「え、ああ、はい……先月よりこの村に流れ着いた若者がセフィラ持ちでして、皆が助かっておりますゆえ」
「その者は。今ここにいるか」
「ええ、こちらに」
そう言って村長が向ける視線の先に、ひとりの男が立っていた。
村長が『若者』と言っていたが、見た目は
おっさんは教会の
「お初にお目にかかります。軍神殿」
男が村人たちから一歩前に出ると、
その
「『アフェク・ベル・ダート』と申します」
「ではベル・ダート。
”アフェク”と
「先手を取らせていただきました。
アドニスが
あの吸い込まれるような
しかし、アフェクは淡々と続ける。
「わたしは、北大陸『フルバスタ王国』出身の教徒──”グラッド教”を広めくべく、この地に流れ着いたにすぎません」
少しの間をおいて、彼女が目を
「なるほど。貴殿の言い分は理解した。今後は私の前でもラクにしてよい。さがれ」
「はっ」
彼が
「村長、村人たちを彼の
「ええ、こちらとしては何の問題もありません」
それは遅れてきた軍人よりも信頼があるヒトに指揮を任せた方がいいという、彼女なりの
話はひと通り区切りがついた様子。アドニスが振り返って兵士たちへと顔を向けた。
「──これより作戦行動に移る。まずは村に入って
──
兵士たちが声を張りあげたのち、これまた迅速に
さすが、”軍神”の兵士と呼ぶべきだろう。
「あとで私のところへ来い。少し話がある」
これからどう動けばいいか分からない僕たちに向かって、アドニスが指示をだす。
こうして僕、ヴァン、カナリア、クリフトリーフのメンバーは彼女の後ろについていった。シエルは指揮を
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