何でもない
いずみ
第1話
僕の街は変な集団に滅ぼされた。僕の街は存在しない。未婚やまだ処女の人間は連れて行かれた。それ以外は例外なく殺された。僕はその中の生き残りである。たまたま通りかかった女性に助けられた。僕はその人に育ててもらってる。料理がとてもうまい。意外にいい親である。その人は魔術が得意でよく教えてくれる。たまにお話を聞いてると驚くことに戦争に参加したり、悪事を働いた人の退治をしている。それ以上は教えてくれなかった。
でも、魔術は教えてくれた。それはもう鬼のように徹底的に教えてくれた。それに関する研究もしてるらしい。僕はわからないことだらけである。
魔術の実践をする前に魔石で適性を調べてくれた。
「凄い。大体の適正はある。それも武器に魔術をも問わせるのに特性がある。凄いい、いや、すごすぎるな」
「そんなに?」
「ああ。今日から武器作りもしようか」
「うん」
「なんの武器がいいかな?」
「連射できるのがいい」
「なら銃かな。買い物行こうか?」
「うん」
手を繋いで街に出た。他人から見ると本物家族にしか見えない。でも本当は違うけど、
「ここだね」
着いた場所は古さびた店だった。
「いらっしゃいませ」
「おう。じいさん」
「リリカか、今日は?」
「銃を作りたい。その素材を」
「あの破壊神が小さな銃でも使う気か?」
「私じゃね。使うのはこの子」
「この子は?」
「滅びた街に居た生き残り」
「その事件は知ってる。軍が動いて摘発したんだろ」
「ああ」
「その中に居たとか?」
「いや、事件現場を通りかかったら生きて居った」
「それでお前がな」
「いいだろ」
「やっぱり、俺と結婚してくれ」
「冗談は顔だけにしてくれ」
「冗談じゃね。でもいいか。で、どんなのがいいだ?」
「電気系とかの魔術を加えても壊れないものを頼みたい」
「ならスマチールインゴットはどうだ?」
スチールインゴットとは、魔術をかけても、それに会わせて変化して、溶けたり、壊れたりしないすごい鉱石らしい。
「あるのか?貴重鉱石」
「ああ。ちょうど在庫がな」
「ならあるだけもらう。他にいい剣とかは?」
「剣なら最近、魔剣が入ったぞ」
「何だって」
「魔剣インセンティブだな」
「ああ。大きさが変わって、魔術までかけられる代物だ。これそこの坊やにあげる」
「いいのか?」
「いいさ、いい子のしてたご褒美をあげないとな」
「どうぞ」
「ありがと」
「いいてっことよ」
「おじいちゃん、幸せになってね」
「ああ。必ずなるさ」
「この子ももう少し好奇心を持ってほしいものだ」
「このくらいがいいさ。それに親を失った悲しみから立ち直れてないだろな」
「しかし」
「言葉で表していても、心は傷がついているはずだよ。目の前で失っているならなおさらな」
「しかし」
「お前の前で見せたら心配させるってわかってるんだろうな。だからいえないし、表せない。お前にはわからないかもしれけどな、傷を負うと立ち直るのには時間を要する」
「簡単に言えば、時間が解決するか、自然に治るのを待つしかないと言いたいのか?」
「ああ」
僕は事件の事を思い出していた。事件のあった日、あの日は僕の誕生日でお祝いモードだった。
しかし、それは一変する。目の前で僕をかばって殺された。首を半分に、お母さんは交わして逃がす前に、
「大切な人とまたいつか巡り合えますよに」
と送って隠し通路に僕を逃がした。その後「ああああああ」叫び声が聞こえた。
僕は怯えることしか出来なかった。その時は何の武器持っていなかった。持っていたら助けられたのに、僕はそのような後悔は二度としたくない。なにがあろうと両親が守ってくれた命を簡単に捨てることはできない。絶対に力を手に入れて見せる。
お会計をして帰った。武器の作成をした。絶対に強い武器を作って見せると思いながら作ると特殊な武器ができた。
オートマチック拳銃だ。自動拳銃ともいう。
「これは凄いな。これほど精密に作るとは、貸してみろ」
渡すとゴニョニョ言って唱えていた。唱え終わると魔術が通りやすくする魔術と製作名が刻まれていた。〘エリック・コスモス〛とこっちの世界語で、
「ありがと」
「このくらい気にするな」
銅と金属で銃弾をたくさん作った。リリカ様がくれた異空間収納バックに詰めた。これは時空魔術をエンチャントしたらしい。凄く効率がいい。
剣術と銃の命中率と魔術の流し込み方を勉強した。それを繰り返しているといつの間にかに十五歳になっていた。この国では成人。
「ついに成人したか。エリックが並んだならどこでもいい」
「いいのか?」
「悲しい思いばっかりさせてきたから、将来くらい好きに選べ」
「なら学園に行きたい」
「わかった。入れるように手配しておく」
「本当に」
「ああ。エリックなら魔術学園くらい簡単に入れるわ」
「ありがと」
「いいって事よ」
「礼くらい言わせてよ。自分の子じゃないのにここまで育ってくれたし、必要なことは教えてくれた。本当の息子のように」
「気にするな
マジでそれ以上言われると泣いてしまう」
「そっか」
「最後の授業だ」
「はい」
「魔術は奇跡を起こすものではない。この世界の心理に迫り、心中に詰め込んで発動したりするものだ。この世に存在する数だけ魔術も感情も世界の心理の見方も違う。それは個性があるからだ。消して間違えはない。これを覚えておけば大丈夫だ。これで私の授業は完結する。聞いてくれてありがと」
「別れ見ただからやめてください」
「そうだな」
「理解してて、やるのやめてもらってもいいですか?」
「そうだな。済まない」
「別にいいですけど」
それから数日経ちました。
入学試験があるから王都である(イグナーツ)に二日前に来ました。こっちには家が普通にあるらしい。僕でもこの人が何者かは知らない。家に着くと、
「ここだよ」
「何これ。豪邸じゃん」
「これ、金が溜まりすぎてやばかったから買ったの」
「はぇ」
「ああ。言い忘れてた。私、こう見て長女で下に三人居るから」
「この家に居るって言いたいの?」
「ご名答」
ドアは自動ドアでした。魔道具だなとか思ったりする。本当に凄い人だな。
「ただいま」
「おかえり」
「うん。みんなは?」
「二人は仕事だよ。私は今日休みです」
「よかったな。先に紹介しておく」
「うん」
「エリック・コスモス、例の生き残り」
「ああ。この子が、意外に可愛いじゃん」
「吹き飛べ」
顔が近かったから風魔術の【フィンド・スター】で吹き飛ばした。それなりに威力は落とした。
「この子何するのよ」
「この子顔を近くで見られるのを嫌ってるの」
「それ早くに言ってくれない」
「その前に見てしまったから」
「そうだった。ごめんね」
「こちらこそ、いきなり吹き飛ばしてごめんなさい」
小声で言いました。
「エリック・コスモス」
「この子本当に元気ないね」
「いつもよりないね。多分疲れたんだと思うよ」
「そっか。私が嫌なのかな」
首を横に振った。
「なんだ。嫌われたわけじゃないだ。よかった」
「名前はなんって言うの」
小声で言いました。
「なんって言った?」
「名前はなんって言うのだって聞いてるよ」
「名前はね、エリーナ・アサガオだよ」
「ならエリー姉さん」
「エリー姉さんって呼んでるよ」
「エリー姉さんか、それでもいいよ」
「ありがとう」
久しぶりに大きな声で言いました。
「珍しい」
「何が?」
「この子が大きい声で言う何ってね。あの爺さん以来かな」
「同じことが?」
「ちょっとね」
「あったのね」
「うん。この子を案内してあげて」
「わかったわ。おいで」
「はい」
ゆっくりついて行きました。意外に大きい部屋でした。
「ここ好きに使って」
「ありがとうございます」
「気にしないで」
「エリー」
「何?」
「仕事が入ったから、その子頼んだよ」
「了解」
「仕事って何?」
「その人の仕事に関係しないほうがいいよ」
「なぜですか?」
「こいつの仕事はエグイから」
「そうですか」
「気にしなくっていいから」
「そうですか」
バックの中から服を出して、タンスに収納しておきました。ベッドに寝た。休んでる暇がなかったから休憩を取ることにした。二時間くらい寝てたら下が騒がしかった。うるさかったから起きた。
一階に行ってみると、一人の女性が倒れていた。
「リリカは?」
「仕事に行ってる」
「それでは、この子は?」
「私は治癒魔術は使えないぞ」
「その子は?」
「ココア、一番下の子」
「へぇ。この世界の、癒して、この世の理に求めよ」
治癒魔術で癒しました。
「これでいい?」
「え、エリック使えたの?」
「一応は」
「そうだったの」
「一応、リリカが教えてくれたから」
「そっか」
「それでその場所は?」
「ココナッツエイエイカ」
「わかった。エリー姉さん出かけてくる」
「待って、あなただけだと」
「この事件つながりが見えるの、傷つけ方と狙う場所に共通点があるの」
「え?」
「その人結婚してるでしょ」
「そうだよ」
「やっぱり」
「説明しろ」
「調べて見な。十二年前の事件をね」
その店の方に急ぎました。場所は家に行く前にリリカが説明していたから簡単に付けた。そこはひどい状況だった。
震えが止まらなくなった。昔の事を思い出したから。それで止まる気はなかった。二度と僕と同じ思いをして、悲しむ人が出て欲しくないから。
偵察用魔道具をバッグっから出した。それに飛ばした。これは自分の目に直接名像が送られる。それで探してみた。特に森を中心に、その中に煙が見えたから魔道具を向かわさせた。その結果発見した。
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