追悼29 どんでん返し…
三 上「その状況って、私ならどうかを考えてみたの。こうは、考えられな
い。軽装で着の身着のままで家を出るのは、その要件を満たしてい
たと言う事。じゃ、どんな場面かと言えば、桜子さんは、イジメに
よって一様、転校と引っ越しを行っている。昔のヤンキーのように
校門で待ち伏せとかの情報は今の所、ないわね。SNSであったかも
知れないけど。問題があっての転校なら転校先の学校も対処して、
転校事情を話さないでしょう。そんなことをすれば、その問題がそ
のまま自分への厄介な問題として返ってくること位は分かるでしょ
うから。だとすれば、狭い地域でありがちな情報の共有で桜子さん
の秘密を知った者から呼び出しにあったのでは」
財 津「成る程、お前の秘密をばらされたくなければってやつか」
三 上「そう。例えば、性的好奇心から会う事を強要され、SNSでやり取り
があってお母さんが出かけた僅かな時間を利用して行動した」
財 津「すったもんだがあって、会えば画像データを消すとか」
三 上「そう。だから、直ぐに終わると桜子さんは思った。さらに、車で近
くで遭うから窓越しに決着させようと思ったんじゃないかと」
財 津「その思惑が外れた」
三 上「そう。想像の域だから危険な考え方だから、参考までに」
財 津「いいんじゃない。事実が見えない限り、想像は大事だからな」
神宮寺「思い込まなければね」
財 津「分かっている、安心しろ神宮寺君」
財津は、神宮寺がデマや中傷で病んだ過去・現在があると感じていた。
神宮寺「嫌な情報もあるんだけど」
財 津「なんだい、なんだい」
神宮寺「事実は事実として、SNSのやり取りは嘘の拡散ってのもあるんだ。
若気の至りで調子に乗った。そこに新たな参入者が作り上げた話に
周りが騒いだ結果、虚実が事実のように語られる現代社会の新たな
闇が作り出す恐怖でもあるんだよねぇ」
財 津「とんでもない発言をぶち込んできたよ~」
蜷 川「現実とはそう言うものです。だからこそ、思い込みやいい加減な検
証は避けるべきであり、なされてはいけない事なのです」
神宮寺「僕は、事実が知りたいんだ!」
普段、大人しい神宮寺が突如、声を荒げた。
財 津「成る程、俺たちがやろうとしていることの重大性が分かるね」
蜷 川「私が発言しないのは、事実を見ているからだよ。実際の裁判では証言
覆ることは少なくない。事実は、桜子さんがイジメに会っていたこと。
川に飛び込んだ事実と状況。引越・転居を行ったこと。失踪後、
一か月後に遺体として発見されたこと。特にこの失踪期を調べるべき
です」
三 上「初動捜査の誤りは、致命的だわ」
蜷 川「神宮寺君は、悪気はなく、行った事。憤りが感じられた。感情に突き
動かされると陥る。少年たちが関わっていたことは間違いない。投稿
に関してイカレタ子たちの軽はずみな発言が産んだ悲劇だ。自己満足
と自己主張を競い合う遊び心は凶器だ。それを踏まえれば、従属させ
ている桜子さんに関する投稿が目立たないのに疑問を感じた」
三 上「確かにその違和感はあった。事件発覚後に消したのかと…。私も反省
しないと。余りにも醜い事件に憤りが勝ってしまったわ」
蜷 川「ネットの闇、新たな犯罪だ。法が追いついていない現実だ。ミスリード
し、特定の者を陥れた。名誉棄損では済まされない重罪なのに」
財 津「で、誰なんだ、その卑劣な奴は」
神宮寺「きんようび@knida。金を募り、反論者を関係者に仕立て上げる方法で
閲覧者を増やしている。真実と虚偽が入り交じっていんだ。その真実が
事件と関連しているかは不確かなんだ」
三 上「ネットの世界は風化が早いものね」
財 津「まぁ、最初の踏み絵かな。戒めとして重く受け止めよう」
蜷 川「事件は起きた。その反応もある。事実はひとつだよ」
三 上「真実はひとつじゃない。それぞれにあるわ。だから、俯瞰で物事を見
るのは大切なことよ。職質の基本だわ。疑いの目を持っても確証が
得られない限り、動けない、動かないのよ」
蜷 川「三上君の言う通り真実は、ひとつじゃない。イジメられた者の真実、
イジメられた者の真実。真実は、影狼のようなものだ。現れて
は消える。猥褻な画像が存在し、その行為が行われた事。ウッペツ
川に飛び込んだ事。この二つの事件に関わった者がいたこと。桜子
さんが失踪し、一か月後に遺体として発見されたことだ。事実を探
し出すのは確かな物証だ。物証に、だろう、は禁物だよ。画像と飛
び込みは立証できる関係者は処罰の対象者だ。だが、今回は、触法
少年に該当する事実だ」
財 津「頭をまっさらにして再検討しましょうか、難しい~」
蜷 川「その採決を常に迫ままれていた私の気持ちが少しは理解できたか
な」
財 津「いい勉強をさせて頂きました、な、みんな」
メンバーは、大きな落胆と戒めを肝に銘じて、襟を正すものとして強く受け止めていた。
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