追悼18 糞・害ー影狼の法廷(触法少年編)
「先生、学校などの対応ですが、飛び込み事件後もイジメを認めないでいた。いや、現段階でも認めていないのかな?憶測は控えたいが敢えて言わせて頂くと、学校・教育員会がイジメを認めなかったことで桜子を追い込み、PTSDを発症したのでは?刑事司法が被害者の目線ではないことも大きな問題だと思います」
「私の立場からは何とも…。私見としては残念なことだと思います。警察はやることはやった、が、本来なら加害者を児童相談所に送り再教育し、自由を一定程度奪い反省を促し、更生するまでは何年も教育する。成果が見られてから、社会復帰を目指して欲しかった。そうしなければ、また新たな犠牲者・被害者を産むことは確実ですからね…警察も歯痒かったと思いますよ」
「先生は、今回の事件にどう対処すべきだったと思われますか?」
「触法少年に関しても、被害の大きさで微罪と重罪に区別し、重罪なら何年掛けても更生という縛りの中で再教育をすべきだと痛切に感じます。今回は、大人の対応にも大きな問題があった。それを防ぐには隠蔽や事実の否認は高くつくことを思い知らせる必要があると思います、ああ、私見ですよ、私見」
「はははは。先生の熱血さは分かりますから、ご自分の意見も遠慮なくお聞かせください」
「それはどうも。私も冷静でいたいがこの事件は胸糞が悪くてね。裁けない不甲斐なさを痛感しますよ」
「ここは法廷じゃないですから、緩急つけて頂いて構いませんよ」
「はぁ、気が楽になった、有難う」
「はははは。それで、大人の対応に関して先生のご意見は?」
「教育現場の姿勢を正して欲しいですね。現状では定年まで校長を勤め上げれば再就職先が得られる。問題が発生すればそれがなくなる、事なかれ主義は辞めて頂きたいものです。寧ろ、問題を炙り出し対処した者が再就職できるとかにね」
「確かに。隠蔽体質は、事なかれ主義のあくしき弊害ですね」
「ええ、さて、被害者が出来る最後の手段は、民事訴訟になります。加害生徒の親に対して監督不十分として四千万~五千万が妥当かと。学校に対しては、監督責任のある旭川市に訴訟を起こすことでしょうね。金額は責任を認めさせるためのもであり、遺族が潤う為ではないのです、結果はそうであってもね」
「金での解決ですか…。それでは、金のある者によって隠蔽を助長することになりませんか」
「だから、事なかれ主義は無能を意味する、という体質改善が必要だと言ったのです」
「なるほど」
との結果を執事・綾小路剛は、主人に伝えた。
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