現実世界でハーレムしても良いですか?

かろん

第1話

なぜ異世界ではハーレムといったものがあるのに、現実世界ではそういったものが無いのか。普通に疑問である。

普通に考えてみれば、それがあるのは二次元だからといった答えが出てくるが、現実世界でもハーレムしたい人だっているだろう。そのうちの一人が俺こと隼人。

俺はただの高校一年生だ。ただの……。


「なに落ち込んでんだよぉ?好きな人にフラれたからって落ち込むんじゃねぇってば!」


俺の背中を少し強めに叩く俺の友達である綾斗。


「……お前は彼女持ちだったか?」

「怖い顔で言うなって……お前には気の毒だが、俺にはもうすでにいるんだよな」

「そうか……俺はただの高一だ。ただの……高、一……」

「な、泣くなって!お前はただの高一じゃあねぇってば。隼人には、隼人しかないものがあるって」

「とりあえず……殴っていいか?」

「急に怖いこと言わないで!俺が彼女持ちだからってそんな……!」


「……はぁ」


綾斗の家を出て、家までの帰り道。ちなみに綾斗に対して殴ってはないのでご安心を。


「フラれたのは仕方ない。分かってはいるけどさぁ……」


今日の放課後、俺は好きな同級生を校舎裏に呼び、その子に告白をした。

結論としてはフラれたのだった。だけど、「私は隼人とは付き合えない。でも、友達としてならいいよ?」と言われたのがせめてもの救いだった。フラれて嫌われるかと思ったけど、その子が友達としてと言ってくれたのが嬉しかった。


「よしっ、気持ちを切り替えよう」


家の玄関を開け、リビングに移動すると、二人の少女がソファに座りテレビを見ていた。


「……そうか。俺にはこの子達がいるのか」


妹というわけではない。この二人の少女は、以前俺が助けた……違うな、何だったかな……。


「あ、もう帰ってきたんだ」


と、銀髪の少女が俺の存在に気づいたらしい。


「ほんとだ、ねぇねぇなにかお菓子とか買ってきたの?」


もう一方の金髪少女は、こちらによって来た。


「いや、別に何も買ってきたりはしなかったんだけど……良かったらなにか買ってくるよ」

「うーん、じゃあポテチ!」

「はいはい、他にご注文は?」

「……私は別にいい」

「……分かった。それじゃあ行ってくるよ」


銀髪少女である結月は俺に対して好意的ではなく、逆に金髪少女である結衣は俺に対して好意的である。

まあそのことはいいとして、さっさと買い物を済ませちゃおう。

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