第1章

第0話


 ……ここは、どこだ? 私は……誰だ?

 記憶がないことに対する不安から、どうにかなってしまいそうであったが、とりあえず、現状把握をすることにする。

 ……そうでもしないと、気が狂いそうだからな。


 さて、私の名前は、不明。現在地、真っ暗で狭くて……って!? 動けない? 手足の感覚がないな……く、八方塞がりだな。

 ん? だが、記憶がないのは、感情……いや、エピソード記憶か、エピソード記憶は一切、思い出せないが、知識に関しては思い出せるな。えーと、南極では風邪をひかない、世界で最も人を殺しているのは蚊、あ○きバーで釘が打てる……なんか雑学ばっかだな……






 ふむ、あれから大分経ったが、特に変化はないな。本当、気が狂いそうだが、案外悪くないな……仕事も煩わしいこともないし…………ッ!?

 な、なんだ!? いきなり、体が揺れ……いや、ここ自体が揺れているのか? 一体……グゥ!? 頭が痛い! なんだ?


「おぎゃあ! おぎゃあ!」

「ourhjjvodjijasfu! Jajfjajfaksnjjsjdk!」


 痛かった……ここは、空間が広くなった気がするが、まだ何も見えない上に何も聞こえない……これは……いや、まさかな。しかし、これは、転生したとしか……

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