第15話 最悪なステータス

 ◇◇◇アレン目線◇◇◇


〖ルグア殿も久しいのう。入院したと聞いたが、元気で何より。安心したわい〗

「私もしばらく会えなかったから、嬉しいよ」


 女の子らしいルグアは、初めて見た気がする。ってか、女の子らしい口調になると、見た目とのギャップがヤバすぎじゃん⁉ でも、やっぱり女性なんだなぁ~。


〖はて、ルグア殿。我に大ダメージを与えたその少年は? 初めて見る顔じゃが……〗

「ああ、新しく【アーサーラウンダー】に入ったアレンだ。仲良くしてやってくれ‼」


〖仲間が増えることは良いことじゃな。我もメンバーに復帰するとしよう〗

「えっ⁉ てて、テイムしていないっすよね⁉ 通常テイムと契約が必要なのに、雑談しているのは、ありえないですけど⁉」


 そういえば、今のステータスはどうなっているのだろうか? 確認するためメニューをひらく。


 プレイヤー名:アレン

 レベル:17469 ジョブ:剣士

 HP:3,500 (オートロック)

 攻撃力:-31,800

 防御力:-5,5200

 魔法攻撃力:-82,600

 魔法防御力:-3,9580


「めちゃくちゃ下がってんじゃんかよぉー‼」

「お、おい……。急にどうしたんだよ? アレン……」


 どうしたも何もないじゃん……。戦えねぇよこれじゃあぁっ‼ ルグアならまだしも、同じゲーマーでも月とスッポンなんだぞ⁉

 面白いと思っていたけどこれ100パーセント無理ゲーじゃん‼ 攻略不可能じゃん‼ 俺‼


「私が守ってやるが……」


 そういう問題じゃないんだよ⁉ 守る⁉ どちらにしろ、ルグアの方が最底辺じゃないか‼


「アレンさん。感情が見え見えですよ」


 えっ⁉ マジ⁉


「確かに、ルナの言う通りだな」


 もしかして顔に出やすい系⁉ ポーカーフェイス下手くそなの⁉ たしかに、ババ抜き弱いからなぁ~。って、ゲームにも影響出るのかよ‼

 これもバレバレだったようで、二人と一匹が頷いている。エネミーのクリムさんに頷かれるなんて……。俺ってボスエネミー以下ってこと? 最悪じゃん……。


「ま、それはともかく次の層行こうぜ‼ 護衛タンクは任せろ‼」


 ルグアが先頭に立ち樹海の中を突き進む。茂みを抜けて見えてきたのは、第五層への階段。

 階段を上って足を踏み入れると、何やらゲージが表示された。そのゲージには『オー』という文字。オーといえば酸素なのでこれは酸素ゲージだ。


 ってことは、ゲージが消えると死ぬ系? やべぇじゃん‼ それは、ルグアも同じだったようで……。


「やっちまった……。酸素ゲージの減少を軽減する装備が二つしかねぇ……」


 準備が甘かったようだった。

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