鳥居の先は『たわわ』+『あわわ』で、いと可愛し。→⛩️詳しくは幸せの神社の境内をチェック⛩️
ハッピーサンタ
プロローグ
プロローグ①:甘々ラブコメのとある日の朝。 前編
今朝はカーテン越しの窓の外の景色が、想像出来てしまう程の寒さだ。
おそらく、辺り一面真っ白な雪で覆われていることだろう。確か、昨日の昼ぐらいからずっと雪が降り続けている気がする。夜も雪が窓やシャッターにぶつかっている音が聞こえてきていた。
とにかく、本当に今朝は、しっかり着込んで毛布を被ったままでも、ブルブル震えて凍えてしまう程寒いのだ。それなのに、この巫女さんときたら……
「ぐぅ、むにゃむにゃ、Zzz……」
こんなに薄い巫女服のままで、今日も僕のお布団に入り込み、そのまま眠ってしまっている。
寝るのは僕がいつも先だから、毎回「風邪を引いちゃうよ」と注意するのを忘れてしまう。
それに、その巫女姿のままで寝られると、風邪を引くという問題だけではなくて──、
(え、エロい……)
そう、目のやりどころに困ってしまうという問題点も、発生してしまうのだ。
「い、いかん、いかん。僕は巫女さんで何を考えちゃってるんだよ?!」
とにかく、僕は首を横に振って、先程から自分の頭の中に居座る煩悩を消そうとするが、それが逆効果になってしまった。
首を大きく振りすぎたせいで、視界が少しだけ切り替わり、敢えて目を逸らしていた景色(二つのふわふわしてそうな大きなお山の谷間)がちょっぴり見えてしまったのだ。
一度、『たわわ山』の谷間辺りに目がいってしまうと、しばらく自動的に僕の目は、固まって動かなくなってしまい、瞬きをすることすら不可能になってしまう。
だが、残念なことに……いや、幸いなことに、大事な部分などは、しっかりと巫女服で隠れていたため、大事故までには至らなかった。
(いや、そもそも、こんな冴えない僕が超絶美少女と同じお布団で寝てしまってるっていうことが、ちょっとした大きな事故になっちゃってるんだけどね……)
心の中で、そうツッコミを入れた後、僕は布団の中で寝転がったまま、彼女にしっかりと毛布を被せて、勝手に僕のお布団に潜り込んできたせいで、一個しかない枕から離れたところにある頭を、そっと優しく持ち上げて、僕が先程まで使っていた場所まで運んだ。
枕に頭をのせるのと同時に、彼女の長くて綺麗な黒髪からシャンプーの良い甘い匂いも漂ってくる。やはり、こういうところは女の子っぽくて良いなと思う。
その後、僕は温かな幸せな空間に別れを告げると、寒い寒いと言いながら、お布団を出ていった。
「想像してた以上に、
厨二がかったような発言で、震えてしまう程の寒さをなんとか誤魔化してみる、が、今朝の寒さはそう簡単に吹き飛んでくれる訳ではない。
「もう、この寒さだから、暖房くらい流石に付けて良いよね」
昨日の夜まではさほど部屋が冷えきっていなかったことと、いつも何かしら無駄遣いしてしまっている僕に対して、呆れてしまっている巫女さんの外の気温より冷えた目で視られていたことから、部屋の暖房はついていなかった。
ちょっと、彼女のそういった部分を見ると、あなたは僕の奥さんですか?とツッコミたくなるが、実際にはご飯作ってもらったり、家事も殆どしてもらっていたりするので、なんとも、お世話になっている人に対してそう言うのは忍びない。
まあ実際、付き合ってないので彼女ですらないが。
(ヤバい、彼女のいない歴イコール年齢の男だったの思い出しちゃった)
地の文でそんなことを言ったせいで、僕は彼女が一度も人生でできたことないという事実にまた心を砕かれてしまった。
(いや、そう考えると、付き合ってすらない男女が同棲していることすらおかしいけど……)
これには、ちょっとした深い訳があるのだが、その話はまた後日。
取り敢えず、巫女さんがまだ寝てるので、カーテンは開かずに僕は自分の仕事場の一つである、この部屋の端に置かれた机に向かって、とある作業に取り掛かった。
電気は付けなくても、カーテンの僅かな隙間からくる光が、丁度良く机に当たっているので、彼女を起こさずに済みそうだ。
(まだこれだとしばらくは、巫女さんの可愛い寝顔を見ながら仕事ができるな。よしっ。今から頑張るぞー!)
と、心に喝を入れて、八:二の割合で寝顔:仕事をして十分程が経過した頃だった。
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