『超接近遭遇』 二部作その2

やましん(テンパー)

『超接近遭遇』


 副官


 『ああ、ついに、ついに、やって来ましたね。水の星。命の星。』


 指令


 『そうだ。しかし、命の星のために、命を無くした者は多い。』



  副官


 『はい、それだけに、慎重に着地しなければ。』



  指令


 『まだ、知的生命活動の兆候はないか?』



  副官


 『もう少し、近づく必要があります。あ、指令、電波信号を発見。おかしな変調してます。』



  指令


  『言葉のせいだろ。解読できるか?』



  副官

 


 
















  『まだ、データが足りません。』



  指令


  『侵入を続ける。攻撃は?』


 

  副官


  『いまのところ、ありません。』


  


   指令


  『よし、進め。』



   副官


  『は。』



   しばらく、たちました。



   副官


 『指令! 惑星の周囲に、多数の人工物体確認。三密状態です。まったく、相互には、明確な規則性ない。危険な惑星探査になりますね。』



   指令


 『むむむ。しかし、この、水の星は、魅力的だ。行こう。大気圏突入せよ。』




   副官


 『は!』



   大気圏突入。



  バビ〰️、バビ〰️、バビ〰️❗



   副官


 『事故です。原因不明。惑星の警備網に、ひっかかったの、かも。あ、ダメです。操縦不可能。地表に激突します。』


 宇宙挺は、脱出用の小型船を切り離したが、乗員は、乗り移れず、そのまま、地上に、突っ込んだのです。



   指令


 『はるかな宇宙を50万光年移動して、これが、最後か。ああ。大神ウォーターよ、なにが怒りに触れましたか?』


   副官


 『死にはしませんから。』




    どっか〰️〰️〰️〰️〰️ん‼️






    ・・・・・・・・・・・・・




 レポーター


 『ここには、やましんちがありましたが、いまは、穴だけです。なにかが、落ちました。しかし、破片などは、まだ、見つかりません。非常に深いクレーターが残りました。マザーからは、まだ、発表がありません。』



 解説者


 『かなり深くめり込んでる可能性もありますが、一気に蒸発したかも。あまり、考えにくいですがね。跡形もないです。』



 ・・・・・・・・・・・・・・・・




 地獄裁判所



 裁判長


 『地獄の難攻不落の天井を破壊し、針の山をバラバラにした罪は、非常に重い。しかし、正体不明の宇宙人であり、責めるべき体がない。仕方がないから、やましんを、代わりに責めることにする。以上。おわり。』 



 やましん


 『冗談じゃない。冤罪だ。上告します。』




   ・・・・・・・・・・・・・



 指令


 『われらに、責任は、あるな。』



 副官


 『は。なにか、償いはしませんと。しかし、どうやって。はて〰️〰️〰️〰️。』



 指令


 『上役に、交渉しよう。ピラミッド体制なら、効果があるだろう。』



 副官


 『げ? あの、正体不明の地球人のために?』



 指令


 『われわれは、常に、別の物質に成るだけだ。われわれは、死はない。変容のみ。あの人を、救出し、放出しておいた予備の宇宙挺に収容し、この太陽系の外れに係留した母船に帰ろう。すでに、物質的には死んでいるが、まだ、一部の残存物質が活動しているから。まだ、救えるだろう。』


 ………………………………………



 地獄側は、現場の長である、閻魔さまが宇宙人に面談した。


 外宇宙の貴重な情報と引き換えにして、閻魔さまは、取引に応じられたのである。



 やましんは、ついに、宇宙に飛んだのです。



        ✨✨✨



 あら、前にも、そういうのが、あったような?


 やましんは、地球上には、あまり居たくないらしい? 


 やましんを、責める声が、地球上に溢れているような感じがする…………

 


 『まあ、誰も、気にはしてないから、それは、妄想ですよ。』


 だれかが、そう、言っているのです。


 ふと、やましんは、気がつきました。



 『あなた、ダイジョブです。カイパーベルトと、呼ばれる場所に来ましたよ。もう、誰にも会わない。』


 副官が、囁いたのでした。


 『ここに来た地球上の生命は、スクナイ。はず。』


 『ほかに、だれが?』


 やましんは、ぼんやりしながら、尋ねました。


 『いないという、証拠はないですからね。あなたは、復元されました。生き返ったと、言って良いです。』


 『生き返った?』


 『はい。一部残った原子が、幽霊になる。しかし、うまくやれば、再生できるのです。』


 『生き返った。ですか。なぜ? だいたい、なにが起こったのでしょう。さっぱり、分からないのですが。』


 指令が立ち上がりました。


 『われわれが、事故で、墜落したのです。つまり、罪を犯しました。』


 『なら、自首してください。』


 『それは、出来ません。われわれが、地球の、公式な存在に接触するのは、違法です。』


 『でも、来たんでしょう?』


 『そうです。過ちを犯したのです。なぜ、墜落したか? たしかに、外部からの干渉があったと、わかりました。あなたを、消したい存在はあるらしい。だから、あなたに、償いを行います。道は2つあります。ひとつ。我々と、大宇宙に旅立ちます。ほんとは、それだけしか、考えませんでしたが、副官から強く言われまして。抗う権利もあるだろうと。2つ、地球に帰る。あなたの自宅は、再建します。まあ、多少、違いは出ますよ。われわれは、神ではないですから。どちらでも、選んでください。』



 だから、やましんは、しばらく、考えました。


 


    ・・・・・・・・・・・・



          おしまい


 


 


 

 

    


  



  









  やましんの自宅に激突したのである。

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『超接近遭遇』 二部作その2 やましん(テンパー) @yamashin-2

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