第8話 金を稼ぐ

 ★2021年11月13日★


 今日も朝8時に起きた。

 以前と違い、目覚めがとても良い。


 17万円の大勝ちをしたおかげで、これから生きる未来が見えたのだ。


「生きる希望があるって、こういう事だよな」


 昨日はポイントを使い切ったのですぐ貯めたが、90ポイントしか入らなかった。同じ絵だと貰えるポイントが減るのかもしれない。


「金はあるし甘デジ以外の台を打つか」


 やはり昨日、甘デジで48000発も出したのは失敗だったかもしれない。


 パチンコ屋に目を付けられ、出入り禁止になったら俺の未来はもう終わりだ。注意しなければ。


「久しぶりにあの店に行くかな……ギャンブラーだらけのあの店に」


 そう決めた俺は、近くのパチンコ屋バツハンに行くことにした。


 バツハンは基本的にガチ勢が多く、朝一の並びは怖い人が多い。パチンコもパチスロも遊戯あそびでは無く、勝ちに来ている客ばかりだ。

 そんな場所なので、ヌルい気配をしていたら、隣の客が足を組んで足の裏をこっちに向けての威嚇が始まるので注意が必要なのだ。


 俺は気合を入れてバツハンに向かった。


「久しぶりだけど、やっぱり緊張するな」


 普段行ってるパチンコ屋と違い、ギャンブルならではの緊張感がただよう。


「この台にするか」


 俺が選んだ台は聖器絶頂シアフォギン、女性が聖なる器で戦うアニメの台だ。

 スペックは大当たり確率1/199.8、一度当たれば51.6%の抽選行い、当選すれば11回転だけ1/7.4になる79.8%継続のスーパーモードに入る、わかりやすい台である。


 俺はイスに座り一万円札を台横の玉貸機サンドに投入する。


 貸玉ボタンを押して125発が上皿に流れてくる。

 準備が整い、当たり確率2倍の祝福を3回使用、タイマーは2:59:59と表示された。


 俺は打ち出しを開始する。


 ――3分後


「1000円分250発で11回転か、あまり回らないな」


 今のパチンコは250発で20回転するのが平均であり、11回転は少ない。だが今の俺は祝福を使用しているので続行だ。


 すると135回転目、全員突撃リーチで大当たり。総投資はちょうど1万円。


「よし、やっと当たったぜ」


 当たりを素直に喜ぶ。

 しかも51.6%にも当選しており、スーパーモードに突入した。


 ――3時間後


 既に30連チャン、持ち玉は3万発出ている。

 どうも当たり確率2倍の祝福は、確変中の当たり確率も2倍になっているらしく、全く確変が終わる気がしなかった。


 怪しまれると困るので追加の祝福は使用せず、結局44連チャンの45000発。交換すると16万円。


 投資金額を引いても、15万円の大勝ちであった。


「2日間で32万円勝ちかよ、本当にやばいなこれ」


 簡単にお金を稼げるのが楽しい。

 俺の人生始まったなと、実感していた。


 人はお金に悩まなくなると、今度は健康を大事にする。


 シリアルばかり食べていた俺は、栄養補給の為にうなぎを宅配注文した。特上うな重3000円である。


「うなぎ美味しい、美味しい」


 10年ぶりに食べるうなぎは、体の疲れを癒やしてくれていった。


 そして食後は、ウリンちゃんで魔法アプリのポイントを160まで回復させた。


 夜中に画像掲示板のウリンちゃんスレを見ると、優しい絵師がウリンちゃんの絵を2枚投稿してくれていた。俺にもっとお金があれば投げ銭するのに。


 財布の中身38万2000円

 特上うな重3000円

 残り約37万9000円

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