第3話 ウリンちゃんのエロ画像

 家に到着すると、すぐにパソコンを使いインターネットで調べ物をした。

 ウリンちゃんについてだ。


 だが、彼女について調べても、出てくるのは誕生日とスリーサイズだけ。他は何も出てこない。なぜだろう。

 

 謎の多い女の子ウリンちゃん、彼女を見てからというもの、パチスロを打っても虚しい。

 これは恋なのだろうか。


 いや相手は二次元、拡大すれば色の付いたドットの集まり、ピクセルの集合体だろうが、と、自分に言い聞かせる。


 二次元への恋を否定する為、俺はインターネットでウリンちゃんのエロ画像を検索をした。


「はぁ……、はぁ……、はぁ……」


 俺はウリンちゃんが裸になっている画像を見て、感情が高ぶる。

 やはり俺はウリンちゃんに恋をしてしまったのかもしれない。


 そんな時、姿が見えない、何者かの声が聞こえた。


「お前、見どころがあるな。この装置に精液を入れろ」


 その言葉と同時に、目の前に、円柱状の透明な容器が現れた。


「な、なんだぁ!?」


 俺は驚いて、パソコンの画面から遠ざかる。

 空中にあった透明な容器は、カランと軽快な音を立てて、画面を置いている机の上に転がった。


「なんか……変な声が……、このコップは一体……」

「コップではない、変換装置だ」


 また変な声が聞こえた。


「私は深海王国のサムエル、お前の力が借りたい」


「力を借りたい?」


「そうだ、お前のような精子力の強い人間は珍しいのだ。そういうヤツの精液は強力な力となる」


「あの……、つまりどういう事ですか?」


「その変換装置の中に射精しろ」


「え?」


「射精すれば変換が起きる。お前のスマートフォンと繋げてやろう」


 ピカッと俺のスマホが光る。


「これで接続は完了した。あとは射精した分だけ魔法が使えるだろう」


 そう言われ、光の収まったスマートフォンを見ると、見たこともないアプリが登録されていた。


 魔法。

 そう書かれたアイコンがある。


「あの、これは一体何なんですか?」


 姿の見えない存在に、一応聞いてみる。


「スマートフォンから魔法を使えるようにしておいた。お前がパチンコをしているので専用の魔法も用意した。喜べ」


「はあ」


 意味不明だ。しかし俺はとりあえず『魔法』と書かれたアイコンをタップした。


 すると、急にスマートフォンの画面が白黒に点滅する。


 壊れたか?

 そう思った。


 だが、白黒点滅が5秒程続いた後に、画面には文字が、

『登録者確認、完了』

 そう表示されていた。


「なんだこれ……」


 俺は魔法使いになった。

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