変わる彼女と日常と

誘惑のカラメル

第1話 壊れたおもちゃ

 どうして、こんな事になってしまったんだろう。


 私はただ、普通にしていただけなのに。


 自分のやったことは正しい事だと、正義に基づいての行為であると、そう思っていた。


 でも――――

 皆から見た私は違っていて、化け物のように見えたのだろうか。


「――――」

 友人が血だまりの中に倒れている。

 でも、まだ息はある。どうせすぐに死ぬけれど、私はそう思った。

 信じられない、そんな様子で私の事を見ていた。


「はあ……」

 深く、ため息をつく。


「私、多分壊れちゃったのかな?――今、自分でやった事、いい事だと思ったから」

「もう、どうでもよくなっちゃった。壊れればいいのにって、思ったから」









 そして、私は――――――――――


「何の刺激もない、こんな日常なんて」




 そう言って、持っているナイフを、自分に突き立てた。










 何気ない日常、変わらない世界、変わらないモノ。

 でも、自分を作ってる何かが壊れたら、人間って案外変わっちゃうのかな?

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