第6話 どうして死なせてくれないのか



 無力な自分が腹立たしかった。


 だから、その事実から目をそらすために、墓守の仕事に精を出した。


 そして、その事実から目をそらし続けるために、死んで楽になりたかった。


 けれど、白い影たちは私を死なせない。


 どうして、死なせてくれないのか、そう思えば。


 白い影の中で、一番強い力を持った影が応えた。


――楽をしてはいけない。


――君が生き残ったその答えは、前に進まなければ得られない。


 私は澪紡ぎ士である友人に手を引かれて、箱舟に乗り込んだ。


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